施工内容 | 屋上/遮熱通気緩衝工法/ウレタン塗膜防水 |
施工エリア | さいたま市南区 |
使用塗料 | 屋上/日本特殊塗料株式会社/プルーフフロンGRトップ(遮熱塗料) |
施工期間 | 約1ヶ月 |
施工を終えて | 屋上はシート防水で、一部シートの歪みが発生していましたが、撤去の必要性が無かったため、細かな亀裂や穴を補修し、その上からカバー工法で通気緩衝工法のウレタン塗膜防水を行いました。トップコートは遮熱塗料を使用したのでさいたま市の補助金が支給されました。 |
屋上はシート防水です。所々小さな亀裂や接着の剥離が見られ、当初の施工が悪かったせいかシートがずれて歪んでいる箇所が有りました。
ALC外壁の塗装膜が無くなり雨水を吸っていました。そのため内部のラス網(鉄製の金属網)が錆びて強度が保てなくなっていました。
部分的にALC外壁には亀裂が入り、酷い所は剥離落下していました。
ALC外壁のジョイント・コーキングは全ての箇所が劣化し、ひび割れや剥離を起こしていました。
室内への雨もりは無いようですが、外壁裏側には雨水が侵入していると思われます。
ベランダ腰壁や外壁の一部には苔が発生していました。立地上やむを得ないのですが、通気の悪さと外壁塗膜の劣化で湿気が抜けなくなっているためです。
高圧洗浄
シーリング不良部分やひび割れ箇所には高圧水を当てぬ様に注意して苔や不良塗膜を落としました。
塗装する箇所は全て高圧洗浄を行います。きちんと行わないと塗料の吸着が悪くなり、結果的に長持ちしなくなってしまうからです。
不良箇所の補修とプライマー塗布
亀裂や穴、剥離部分の補修後、プライマー(接着剤)を塗ります。これで通気緩衝シートとの接着を良くします。
通気緩衝シート張り
内部からの湿気を逃がして、膨れを防止すために脱気等を設置しますが、そのためにこの通気緩衝シートが必要です。
また基材のALC下地とその上のシート防水層の間に入って地震や建物の歪みや既存防水シートの動きを緩衝して新規のウレタン防水層の破断を防ぎます。
脱気等設置
建物内部からの湿気を逃がすための排気口を取り付けました。上部は傘になっており、外部から雨などは入らない構造です。
ウレタン防水層1層目形成
立ち上がり部分をメッシュシートで補強し、柔らかいウレタンゴム防水塗料を塗ります。
ウレタン防水層2層目形成
隅々まで丁寧に均等に塗られ、笠木から底面までシームレスな状態でウレタン層が形成されました。
2層塗る事で厚みを増して強度を確保します。
防水トップコート
ウレタンゴムは柔らかく、紫外線や雨水等で劣化しやすいので保護をするためにトップコートを塗ります。
笠木部分のジョイントコーキング
古いコーキングを撤去し、新規にコーキングを打替ます。
既存コーキングの撤去
古いコーキングにをカッターで切れ込みを入れ、ペンチ等で剥がします。剥し残しの無いように注意します。
埃や剥し残しが有ると接着不良を起こすので徹底的に落とします。
コーキング打替
プライマーやコーキング材で外壁を汚さぬ様に養生テープを貼り、コーキング材とALC外壁の接着を良くする様にプライマー(接着剤)を塗ります。
コーキング材をゆっくり滑らかに均一になる様に充填し、ヘラで表面を均し、余分なコーキング材を取り除いて完了です。
外壁ひび割れ補修-1
この様なひび割れが多数有りました。
外壁ひび割れ補修-2
ひび割れも、剥離しかけている所もコーキング材でしっかりと接着しました。
樋ジョイント部の雨漏り
ジョイントの接着不良で雨もりしていました。
樋ジョイント部の雨漏り補修
ジョイントにコーキングを摺込んで隙間を埋めました。これでもう雨もりは大丈夫です。
外壁下塗
シーラーで下塗します。今回はALC外壁のパターンが凹凸が大きくローラーでは塗り斑がでてしまうため吹付塗装を行いました。
ひび割れにも染み込んみます。外壁の補強と仕上げ塗料の接着を良くします。
外壁中塗
吹付塗装とローラー、ハケを組み合わせて塗料が万遍無く行き渡る様に塗装して行きます。
外壁上塗
上塗も吹付、ローラー、ハケを組み合わせて塗装します。中塗と上塗は同じ塗料を使います。
合計3層塗る事で塗膜に厚みを持たせ、強度を増します。また、ムラを無くし美しく仕上げます。
ベランダ腰壁塗装-1
腰壁も同様に下塗、中塗、上塗と3層仕上げです。コケが生えて変色していた壁も美しく塗り替えられました。
ベランダ腰壁塗装-2
コケが生えて変色していた壁も美しく塗り替えられました。
目荒らし
サンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り、微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。
シーベスではこの様な隠れた目に見えない作業も丁寧に施工するので美しく仕上がり長持ちするのです。
樋塗装
樋は塩化ビニール製です。太陽光や雨水で加水分解という化学反応を起こして劣化して行きます。塗装する事でこれを防ぐ事が出来ます。
ベランダ鉄骨フレーム塗装
溶剤系のシリコン塗料で塗り替えて行きます。
シャッターボックス塗装
シャッターボックスはガルバリウム鋼板でした。よくガルバリウム鋼板は錆びないと言われますが、切り口や傷のついた部分は錆びが発生します。また、どうしても色褪せしてしまうので塗装によって美しさを蘇らせ、錆びから守ります。
軒天塗装
今迄玄関の軒天はダークグレーでした。何となく暗い雰囲気でしたので白色への塗り替えをご提案しました。真っ白に塗り替えらると、一気に建物全体が明るくなりました。
屋上は通気緩衝工法でウレタン塗膜防水を行いました。既存シートの歪みはそのまま残りますが、ゴムの様な皮膜がシームレスに全体を覆うので雨もりの心配が無くなりました。
外壁のひび割れや、コーキング不良も全て補修され、雨水の侵入も心配有りません。
玄関周りは、軒天が白く塗り替えられた事で、とても明るくなりました。
今回の塗り替えでは、外壁の雰囲気を変えたくないとのご希望で、近似色を選びました。写真ではよく分からないのですが近くで見るときらきらと輝いています。
これは、この塗料の中に天然石とセラミック骨材が含まれているからです。一見地味な色彩に見えますが、近くで見るととても美しい洒落た雰囲気に生まれ変わった事にお気づきになるでしょう。
台風の影響も有り、かなり長い工期となりご不便をお掛けしました。大変有難うございました。