施工内容 | 4階建マンション 大規模修繕工事 屋根塗装、外壁クラック補修、外壁爆裂補修、外壁塗装、コーキング打替、ベランダ防水他 |
施工エリア | さいたま市北区 |
使用塗料 | 屋根/平板スレート/溶剤系シリコン塗料 |
施工期間 | 50日間 |
施工を終えて | 築25年、鉄筋コンクリートの4階建、16戸の賃貸マンションです。屋根の板金以外、初めての大規模修繕工事です。 |
屋根は一面にびっしりとコケ生えていました。塗膜は剥がれ落ち、白茶けた状態になっていました。
全く撥水機能が無くなっていました。
外壁には無数のひび割れや、モルタルの欠損、苔の発生が有りました。
モルタルの剥がれ落ちは各所で発生しており危険な状態でした。
足場設置
建物の周りに下から順に足場を組んで行き、安全対策と汚れの飛散防止にネットを張ります。
想像以上にペンキは飛びはねるものです。こうして、ご近所に迷惑がかからない様にします。
2日間で足場設置が完了しました。
屋根の高圧洗浄
コケや痛んだ古い塗膜をしっかり除去しないと、新しい塗料を塗っても弾かれて、早く剥がれてしまいます。そのために、高い圧力で水を掛けて取り除きます。取り切れない場合は、ナイロンタワシ、金ブラシ等で落として行きます。
横樋の中も土ぼこり等で想像以上に汚れが溜まっています。放置すると詰まったり、重さで樋が曲がったりしますので、しっかりと掃除します。
外壁の高圧洗浄
外壁も屋根同様に行います。古い塗膜や苔等が泥水の様になって落ちて行きます。
打診検査
この様な検査用ハンマーで、なぞったり、軽く叩くと、浮いている部分を発見出来ます。モルタルが浮いている箇所は軽くにぶい音がするので直ぐ判ります。
異常個所を見つけたらハンマーや金ベラで更に状況を確認し、マーキングします。
屋根塗装-シーラー下塗
シーラーは、屋根材の補強とその上に塗る塗料の接着を良くする事が目的です。細かい所も丁寧に塗って行きます。
通常シーラーは、1層塗装なのですが、今回はスレートの劣化が激しく、あっという間に吸い込まれたために、部分的に2層塗っています。
屋根塗装-中塗
中塗と上塗は同じ塗料を使用します。今回は溶剤系のシリコン塗料を使用しています。
屋根塗装-上塗
中塗の後更に上塗をする事で十分な厚みにして耐久性を持たせ、二重に塗る事でむらを無くし、美しく仕上げます。
屋根塗装完了
スレート瓦の重なり部分に付いたペンキは切れ目を入れて隙間を空けます。これを縁切りと言います。これは、瓦の隙間から雨水が侵入した時に水はけを良くするためです。
これで屋根塗装は完了です。見違える程きれいに仕上がりました。
養生
爆裂等で落ちかけているモルタルの除去や、鉄筋の錆落としの作業では、たくさんのかけらや削りカスが出ます。また塗装の際にペンキが付いてはいけない部分も有ります。それらを、テープやビニールで覆います。
これを養生と言います。
通路の軒天塗装
通路の天井は、この様に長い柄の付いたローラーで塗ります。
外壁の爆裂補修-斫り
雨水がひび割れから侵入したために、内部の鉄筋が錆びて膨らみ、コンクリートやモルタルを破壊する事を爆裂と言います。
大変危険なので弱っている箇所をハンマーで斫ります。
ケレン・錆止め
鉄筋の錆びをワイヤーブラシ等で落とし、錆止めを塗ります。
モルタル成形
プライマーつまり接着剤を塗り、モルタルを盛って、均して行きます。
外壁塗装
シーラーで下塗をする際に、目の粗いローラーで凹凸模様を付けます。その後、中塗と上塗は同じ塗料を使用します。今回は水性のセラミック・シリコン塗料を使用しました。
外壁塗装完了
通常は3層塗ります。十分な厚みにして耐久性を持たせ、二重に塗る事でむらを無くし、美しく仕上げます。
この様に、見違える程美しく仕上がりました。
通路のモルタル浮き補修
通路と階段の壁に打診検査でモルタルの浮きを発見しました。このままでは落下してしまいます。
マーキングをしドリルで穴を開け、ンクリートとモルタルの隙間にエポキシ樹脂を注入してしっかりと接着し、モルタルで穴を塞ぎます。
通路壁塗装
シーラーで下塗をする際は目の粗いローラーで凹凸を付けます。中塗と上塗は同じ塗料を使用し、3層塗ります。この塗料も外壁と同じです。
側溝防水-プライマー
側溝にもひび割れが有りました。特にここは水の流れる所ですから、しっかりと防水する事が必要です。
清掃後にプライマーを塗ります。これは基材と上に塗るウレタン塗膜との接着を良くするためです。
防水ウレタン層成形
防水用ウレタン塗料を2層塗ってしっかり厚みを付けて強度を増します。ウレタン防水は柔らかい塗膜でモルタルの表面を覆ってやります。地震等で万一モルタルに小さなヒビが入っても、表面はゴムの様に伸縮するので雨水の侵入からしっかりと守られます。
防水トップコート
ウレタン層は柔らかく紫外線の影響等から守るために、トップコートを塗って保護します。
側溝防水完了
柱の爆裂補修
エントランスの柱部分も雨水の侵入で内部の鉄筋が錆びて膨らみ、コンクリートやモルタルが落ちていました。
崩れそうな箇所をハンマーで斫り、マーキングをして、鉄筋の錆びをワイヤーブラシ等で落とし、錆止めを塗ります。
モルタル成形
プライマーを塗り、モルタルで成形します。
柱の塗装完了
シーラーで下塗をする際に、目の粗いローラーで凹凸(おうとつ)を付けます。中塗と上塗は同じ塗料を使用します。この塗料も外壁と同じです。
上塗まで3層塗り、十分な厚みにして耐久性を持たせ、二重に塗る事でむらを無くし、美しく仕上げます。
エントランス、木天井塗装
天井は、木部が雨水(あまみず)の侵入で腐っていました。腐っている部分をサンドペーパーや金ブラシ、金ベラ等で落とします。
エントランス、木天井塗装完了
木部用の防腐塗料を2、3層、染み込まなくなるまで塗ります。木の質感が、美しく蘇りました。
ベランダ外壁塗装
ベランダの外壁も前出同様に爆裂を補修し、塗装して行きます。
ベランダ床ウレタン塗膜防水
ベランダ床ウレタン塗膜防水の詳しい工程はこちらをご覧下さい。➔
ベランダは雨が入り易い所ですから、防水が重要です。痛んだ塗膜や不良モルタルを削り取り、ヒビを埋め、表面をきれいに均す為にカチオンを塗ります。カチオンはコンクリートやモルタル、防水塗料と相性が良く、しっかりとくっ付きます。
プライマー、防水用ウレタンを2層、更に防水トップコートを塗ります。つまり合計5層になりました。
地震等でコンクリートやモルタルにひび割れが発生しても、ウレタン塗膜防水は柔らかいので、表面までは影響しない為に雨水からしっかりと守られる様になります。
タイル面クリア塗装と伸縮目地コーキング
タイル部分は汚れで、くすんでいました。こびりついたエフロレッセンスを、タイルを痛めぬ様に丁寧に剥がし、タイル専用の溶剤系クリア塗料を2層塗ります。こうする事で目地の劣化も防ぎ、タイルの輝きを元の美しさに甦らせます。
伸縮目地は、コンクリートやモルタル、タイル等が地震や温度伸縮で変形した時のための緩衝目的で入れている柔らかい目地の事です。
古いコーキング材を取り去り、コーキングを充填して仕上げます。
メーターボックスや貯水槽の塗装
マンションには必ず有る各種ボックスは殆どがスチール製ですから塗膜が弱ると錆びてしまいます。また貯水槽は、生命維持に不可欠な水を貯めるタンクですから遮光塗装をして衛生状態を維持しなければなりません。
是非詳しい工程例をご覧下さい。
あれ程無数に有ったひび割れや欠損、苔が、嘘の様に無くなりました。
こうしてメンテナンスをする事で、大切な財産である建物が守られます。見違える程、美しく仕上がりました。
オーナー様や居住者の皆様だけでなく、ご近所の皆様からも大変喜んで頂けました。
まるで新築の様に蘇りました。