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さいたま市南区のF様へ屋根塗装と外壁塗装、ベランダ防水の見積説明に伺いました。静かな住宅地に建つ築14年のお住まいです。熱心にお聞き下さり大変有難うございました。
屋根はスレート瓦で塗膜が劣化し撥水力が弱くなっていました。また湿気が多いためカビや苔が噴き出していました。屋根の棟板金では釘浮きも大分見られました。
困った事にケラバ(屋根の端で斜めに降りる部分)の板金が瓦を包んでいませんでした。水切は入っているもののこれではスレート瓦の反りが発生したり、大雨の時には雨水が奥まで染みてしまいます。瓦の下にはアスファルトルーフ(防水紙)が敷いて有りますがこれもせいぜい7年前後の寿命です。このハウスメーカーは随分といい加減な施工をしたものだと呆れてしまいました。F様のお住まいの湿気が多く苔やカビが多いのもこれも一つの原因だと思います。
釘浮き補修をし、ケラバの板金が瓦を包んでいない部分はシーリングをしてからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコンでの塗り替えをお勧めしました。
この製品は遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。さいたま市では遮熱塗装をすると補助金を出してくれるので僅かですがお客様のご負担も減る製品です。
破風・鼻隠のジョイントには隙間が発生していました。ここからも雨水が侵入しているのでシーリングをして、外壁と一緒に塗装する様にお勧めしました。
外壁は2種類のALC(セメントペーストに発泡剤を加えて内部を金属網で補強した軽量気泡コンクリートのこと)板にリシンの吹付塗装がされていました。たまたま現状調査の時に雨が降っていたのですが塗装膜が劣化して雨水が染み込んでおり、ひび割れも見られました。
ALC外壁は補強のために内部にラス網が入っています。ひび割れから雨水が侵入すると内部のラス網が錆びて切れてしまい強度が落ちて割れて崩れたりしてしまいます。ALC外壁で表面の塗装が働かなくなる事は致命的です。
ALC外壁パネルのジョイントや窓周り、換気フード、配管周りはシーリングも弱っていました。シーリングというのは隙間や穴、ひび割れ等で雨水が侵入し易い箇所をコーキングで埋めて塞いでいる部分の事です。
これら全てをきちんとシーリングしてから外壁塗装をする様にお勧めしました。塗料は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップとアイカ工業株式会社のジョリパットをお勧めしました。
前者は艶有で汚れが着きにくく微弾性なのでひび割れにくい性質が有ります。後者は艶消しで独特の高級感が有りますが、やや前者よりも汚れは着き易くなります。
バルコニーのFRP(繊維強化プラスチック)防水床はFRP自体は異常が有りませんでしたが、人工芝が敷いてあるため雨水の乾きが悪くなるうえ、コーナーの角ばったプラスチックでFRPを痛めてしまうので撤去した方が良いとお話ししました。トップコートは細かいひび割れが多く寿命が来ていましたので東日本塗料株式会社のAUコートでの塗り替えをお勧めしました。これは駐車場等にも使用される防塵塗料でかなり丈夫です。
シャッターボックスや水切には錆も無く比較的良好でしたが塗装膜は傷んでいました。樋はジョイント部分から雨漏りが見られました。ジョイントの隙間補修をしてこれ等の部位はエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗り替えをお勧めしました。
何社か見積を取られていると思います。くれぐれも安いという事にとらわれず肝心な所をきちんと補修する優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。