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2024/6/17 (月)
さいたま市緑区のI様からアパートの屋根塗装や外壁塗

さいたま市緑区のI様からアパートの屋根塗装や外壁塗装の見積依頼     さいたま市緑区のI様からアパートの屋根塗装や外壁塗装の見積依頼

 

 さいたま市緑区のI様からアパートの屋根塗装や外壁塗装、付帯部分の塗装の見積ご依頼を頂きました。大変有難うございました。早速現状調査に伺いました。住宅地に立つ築30年の2階建てで初めての塗装工事です。
 建物が敷地いっぱいに建っているため工事に必要な足場の設置には若干手間取りそうです。階段に続くタイルは一部欠損が見られました。
 屋根はスレート瓦でかなり釘浮きや釘の抜け落ち、棟板金のジョイントの隙間や捲れも見られました。だいぶ苔も発生しており殆ど撥水していない状態でした。
 釘浮や釘の抜けを放置したり、ただ打込んだだけですと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
 ジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
 屋根のケラバの板金がスレート瓦を包んでおらず取合部分には大きな隙間が有りました。ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
 この隙間の下には一応水切が入っているのですが雨量が多ければオーバーフローしてしまい雨水がスレート瓦の下のアスファルトルーフィングに流れてしまいます。アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぐための物です。
 ただ一般的な住宅等で使用されているアスファルトルーフィングは寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。スレート屋根瓦は汚れで見えませんが経験上ひび割れも有ると思います。
 屋根には天窓が3つ有りましたが、1カ所は雨もりが有ったのか水切の補修がされていました。おそらくガラスとフレームの取合パッキンも傷んでいると思います。
 屋根の上裏は劣化が進んでいました。上裏と言うのは屋根を載せるための野地板の裏側の事です。塗装の剥離や木部の剥がれ等が見られました。
 破風・鼻隠はセメント板で一部割れが有り、全てのジョイント部分に隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると湿気が塗装膜を押して剥がれて来ます。一度こうなると塗装しても持ちは悪くなってしまいます。
 ケイ酸カルシウム板の軒天と外壁の取合には隙間が見られました。この様な所からも雨水は侵入してしまいます。
 外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)でした。
 経年劣化で反りやひび割れ、穴あきも見られました。外壁のジョイントコーキングはひび割れたり剥離したりして全滅の状態でした。
 こうなるとサイディング外壁の一番端の部分から雨水を吸ってしまい、乾燥と吸水を繰り返す事で脆くなって行き崩れたり粉の様になってしまったりします。
 外壁のコーナーには塩化ビニール被覆鋼板が使われていました。大変厄介な事に塩化ビニールが破け出している事です。鋼板には亜鉛メッキがなされていました。亜鉛は塗料を弾くため特殊なプライマーを塗ったとしても剥がれ易くなります。
霧除やシャッターボックス、水切等の鉄部も表面の塗装膜の劣化が見られました。
 バルコニーは外付けなので防水の必要は有りませんでした。樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
階段や通路の目隠しパネルはサイディングなのですが、裏側が無塗装のまま使用されていました。相当な湿気を含んでいる様子で、おそらく塗装しても膨れの発生が懸念されます。場合によってはこちら側は塗りかえずに洗浄のみで良いのではないかと思います。
 通路の目隠しパネルやベランダ側のパーテーションのパッキンは全てたるんで落ちかけていました。その他の鉄部は大分錆が発生していました。
 玄関ドアはスチール製なのですが、部分的にアルミで飾りが付けられていました。全体的に変色が見られました。
 オーナー様から階段や通路に長尺シートを張りたい旨お話を頂いたのですがこちらのアパートの材質では接着しないのでこれは出来ません。
 全体的にかなり痛みの激しい物件です。財産として維持するのであれば今回しっかりと補修しないと、半端な補修では2~3年で塗装の剥離やひび割れが発生して無駄な出費をしたことになると思います。
 見積書の作成に1週間位頂きたいと思います。宜しくお願いします。