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2024/6/23 (日)
さいたま市岩槻区のR様より屋根塗装と外壁塗装の見積

さいたま市岩槻区のR様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼    さいたま市岩槻区のR様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼

 

さいたま市岩槻区のR様より屋根塗装と外壁塗装、付帯部分の塗装の見積ご依頼を頂きました。
早速現状調査に伺いました。静かな環境の立地で築30年の2階建てで初めての塗装工事です。
屋根はスレート瓦で釘浮きや釘の抜け落ち、棟板金のジョイントの隙間も見られました。下屋根はケラバ部分では板金がスレート瓦を包んでおらず板金と瓦との間に隙間が有るため雨水が侵入し易くなっていました。通常の雨なら何とか雨押から雨水は流れ落ちるのですが大雨では雨押を越えてその下のアスファルトルーフィングに流れてしまいます。
ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
屋根はスレート瓦の下にアンテナコードが挟まっており問題でした。また全体的にかなり苔が発生しており殆ど撥水していない状態でした。釘浮を放置したり、ただ打込んだだけだと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。棟板金のジョイントでは折り曲げ加工部分がきちんと咬み合わせがされていなかったので浮いてしまっている箇所が有りました。これ等の箇所は強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
ジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。
鼻隠はセメント板でジョイント部分に隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると内部に溜った湿気によるカビ等が発生する場合があります。
軒天は非常に珍しいプリントベニヤ板製でした。劣化の激しい部分はプリントが無くなっており、一部剥離も見られました。
外壁は窯業系のパネル(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)に塗装でスタッコのパターンが付けられていました。
スタッコと言うのは吹き付けた後で塗装面が柔らかいうちにローラーやコテで押さえる等して表面を凹凸の有る粗面状態に仕上げる事で、厚みも付くため丈夫で立体感のある重厚な壁面の雰囲気を出しています。
外壁の塗装膜はチョーキングやひび割れ、隙間の発生が見受けられました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいます。
樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
雨戸やフード等の鉄部も表面の塗装膜の劣化が進みかなり変色していました。基礎は化粧モルタルの割れが見られました。
窓周りのシーリング部分はコーキングが見られず、おそらくコーキングの上から吹き付け塗装を下からだと思います。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
築30年で初めての塗装と言うのはかなり遅すぎたと思いましたが中古で現状のまま昨年購入したとの事でした。
見積書の作成に1週間位頂きたいと思います。宜しくお願いします。