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さいたま市大宮区のK様より屋上防水と外壁塗装、シーリングの見積ご依頼を頂きました。大変有難うございました。 うまくシーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーだと思います。塗装業界は結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので優良な塗装業者を探すのは大変です。
早速現状調査に伺いました。住宅地に立つ築40年の3階建てで3回目の塗装工事との事です。
屋上はシート防水になっています。架台やエアコンの室外機が有りましたが、これは工事前に撤去するそうです。防水シートには破れや剥がれ、歪みが生じており雨水の進入が見られ、数年前から雨漏りしているとの事でした。
パラペットの笠木はステンレスなのですが側面から釘止めして取り付けていました。笠木は本来内側から固定するのですが、この構造だと内部のパラペットの天場から雨水が侵入している可能性が否めません。
屋上へは鉄製の梯子が掛かっていましたが大分錆が発生しており強度に不安を覚えました。軒天から下がっている物干しも鉄製でこちらも錆が目立ちました。鉄扉も同様に錆が進んでいました。一部スレートの庇が有りました。こちらも塗装膜の劣化が見られました。
外壁はALCでした。ALCというのはセメントペーストに発泡剤を加えて内部を金属網で補強した軽量気泡コンクリートの事です。
かなりチョーキングが進んでいました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいます。外壁の撥水力もかなり低下していました。
塗装膜が劣化すると雨水が染み込んでしまいます。雨水の侵入と乾燥を繰り返すうちに元の粉に戻ってしまいます。補強のための内部のラス網が錆びて切れてしまい強度が落ちてしまい地震等で崩壊しやすくなってしまいます。
ALC外壁のジョイントや窓周りのシーリングは殆ど寿命を迎えており、此処からも雨水が侵入している様子でした。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
ALC外壁が土台よりも引込んでいる事が気になりました。これは逆でALC外壁が土台よりも外側に無ければなりません。或いは水切等を設置しなければなりません。構造的な問題なので改善のしようが有りません。この構造だと外壁と基礎との取合から雨水が進入してしまいます。それを防ぐためにコーキングを打っているのですが建物が歪んだ際にこの取合からは雨水が侵入してしまいます。建設会社ももう少しきちんと設計して建てて欲しいと思います。
2箇所有るバルコニーも平場と立ち上がりのジョイント部分から雨水の侵入痕が見られました。
スチール製の換気フードの塗装膜も劣化が見られました。配管の留金具も錆が発生しており、配管自体も劣化が進んでいました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
玄関庇は洋瓦が載っていましたが留めている釘が殆ど浮いていました。ここから内部へ雨水の侵入が有ると思います。瓦と瓦のジョイントにはモルタルが使われていましたが劣化が見られました。玄関庇の上には雨水が溜まっており、傾斜が逆についている為、排水に難が有りそうです。
雨漏りが進行中の為、できるだけ早く工事を行うことをお勧めします。
見積書の作成に1週間から10日程頂きたいと思います。宜しくお願いします。