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さいたま市中央区のI様より外壁塗装やコーキングの打替、付帯部分の塗装、不良個所の補修工事のご契約を頂きました。先日は熱心にお聞き下さり、何社か見積を取られた中からシーベースをお選び下さり大変有難うございました。
シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーだと思います。手前味噌になりますがシーベースの様に下地処理を丁寧に行い、美しくかつ長持ちする塗装を行う業者はごく僅かです。塗装業界は結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので優良な塗装業者を探すのは大変です。
I様のお住まいは静かな住宅地に立つ築14年の2階建てで初めての塗装工事です。屋根が切妻形で片側は何と12.5寸勾配の急角度のデザインの素敵なお住まいでした。
切妻屋根というのは最頂部である棟から下方向に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成されるシンプルな屋根形状の事です。
屋根はガルバリウム鋼板製で錆も釘浮きもありませんでした。ガルバリウム鋼板というのは、鉄の鋼板にアルミニウムと亜鉛の合金をメッキで蒸 着させたものです。アルミニウムの耐食性と亜鉛の犠牲防食(ぎせいぼうしょく)作用、自己修復作用により従来の溶融亜鉛めっき鋼板に比べ腐食に強くなっています。ですからトタン屋根やスレート瓦、セメント瓦等と異なり塗装は20年後位に行えば良いのです。ただ施工中に傷を付けてしまうとそこから錆が出る場合が有ります。錆が発生すると半年から1年程度で穴が空いてしまうので築10年程度で状態の確認は必要です。今回は錆も見当たらないため塗装の必要は有りません。
ケラバ部分は板金が折り込まれる形状のため降り棟包みは有りませんでした。ケラバと言うのは切妻屋根の端で斜めに降りる部分の事です。
破風・鼻隠も板金で巻かれていました。やや隙間が空いてしまった箇所が有りました。この部分はオート化学工業株式会社のオートンイクシードでシーリングを行います。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
この隙間から入った雨水は内部の木部へと侵入するので放置すると材木の腐れに繋がります。
軒天はケイ酸カルシウム板でした。経年劣化のためやや黒ずみが見られましたが大きな異常は有りませんでした。この部分は日本ペイント株式会社のケンエースGⅡで塗りかえます。
軒天と外壁との取合部分には隙間が見られました。台風などの際はこの隙間から雨水が入り込むと思いますのでここもオートンイクシードでシーリングを行います。
外壁は2種類の窯業系サイディングでした。窯業系サイディングと言うのはセメントと繊維質を混ぜた原料を板状の型でパターンの凹凸を付けて圧縮し、高温・高圧の中で固めた物です。焼いて作るものではないため湿気で変形したり吸水で脆くなったりします。
ひび割れて大きくずれてしまった箇所が有りました。原因はサイディングを取り付ける際にハンマーで釘を打ち込んだ時、力が強すぎで外壁が割れてしまったからです。このままではその部分が落ちてしまうので、ずれを補修して止め直しコーキングで接着します。
外壁のジョイントコーキングは経年劣化で固くなり隙間も見られ寿命が来ていました。そろそろ打替が必要な時期に来ていました。これらの部分もオートンイクシードでの打替を行います。打替というのは古いコーキングを撤去して新たに充填し直す方法で、打増というのは物理的に古いコーキングが撤去出来ない箇所で、その上からコーキングを充填する方法です。
I様の外壁の表面はチョーキングや変形も無く比較的良好な状態を保っていました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいますので注意が必要です。
外壁のジョイント部分や途中から切られた箇所はやや雨水を吸って変色が見られました。窯業系サイディングは雨水の侵入と乾燥を繰り返していると元の粉に戻ってしまったり、脆くなってボロボロに崩れてしまうので定期的な塗装やシーリング等のメンテナンスは欠かせません。
外壁塗装は1階、2階とも日本ペイント株式会社のパーフェクトトップで現状同色のツートンカラーに塗りかえます。
エアコンの室外機は上下2段に重ねられ、固定する金物をビスで留めていましたがかなり乱暴な留め方で斜めに打たれ、おまけにビスが飛び出ていました。これでは雨水が染み込んでしまいこの部分はやがて崩れてしまいます。随分といい加減な工事をしたものだと呆れてしまいました。これは、一旦外してから正しくビスで留め直します。
ソーラーパネルからの電線を収めるパイプや外壁との取合にはシーリングがされておらず雨水の侵入が懸念されます。ここはシーリングを行うます。
バルコニーはアルミの支柱に塩化ビニール製のデッキで造られており防水の必要は有りませんでした。
シャッターボックスや霧除は劣化してやや変色が進んでいました。これ等の部分はスチール製なので錆びが出ぬ様に塗装が必要です。水切はアルミ製なので塗装の必要は有りませんでした。
樋もジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものもやや弱くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
横樋の受け金物には錆が確認されました。これは細いので錆が進行すると折れてしまう事が有るので注意が必要です。樋の受け金物はケレンして錆止め塗装を入れる様にお勧めしました。
そしてシャッターボックスや霧除、樋はエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンで塗りかえます。
着工は1月初旬に決定しました。どうぞ宜しくお願いします。