最新の投稿
さいたま市緑区のT様へ屋根塗装と外壁塗装、コーキングの打替、バルコニー防水トップコート、付帯部分の塗装や補修の見積説明に伺いました。ご家族お揃いで熱心にお耳を傾けて頂き大変有難うございました。朝のうちはやや肌寒かったものの11時を過ぎると逆に暑くなって来ました。
T様は昨年と今年完工したご近所のMI様やH様の塗装工事や弊社のパンフレットをご覧になってご依頼されたとの事です。
こうしてうまく株式会社シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーだと思います。塗装業界は結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧で優良な塗装業者を探すのは大変です。
実際の工事をお近くでご覧になっていると、どんな職人が作業をしているのか、また施工前と施工後の違い等々良く分かるのでとてもご参考になるかと思います。
T様邸は環境の良い住宅地に立つ築14年の2階建てで初めての塗装工事です。敷地いっぱいに建っているため足場のベースを敷地内から組むと樋とぶつかってしまいそうでした。駐車場も足場が立つと、お車が停められなくなるので工事中の駐車場の確保が必要になります。
屋根は複雑な寄棟造りのスレート瓦で棟板金の釘浮きやジョイントの隙間が多数見られました。
寄棟造りは屋根形式のひとつで、数方向に傾斜する屋根面を持つ形状の事です。何か所か折れ曲がって谷部分も有るため、ジョイント部分からはどちらかと言うと雨もり等起きやすい構造なので注意が必要です。
釘浮を放置したり、ただ打込んだだけだと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。これ等の箇所は強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
ジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。それが原因かと思いますがスレート瓦の重なり部分から苔の吹き出しも見られました。
棟板金の釘浮きの補修や釘頭のコーキングによる留め、板金のジョイントのシーリングを行ってからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコンでの塗りかえをお勧めしました。この製品は遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。色にもよりますが黒色や濃い茶色の場合は50~40%、白色や明るいブルー等の場合は80%以上の反射率が有りますので通常の塗料と比較すると性能の良さが分ります。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
鼻隠はセメント板製でひび割れやジョイント部分にやや隙間が見られました。ここから雨水が侵入するとセメント板そのものが脆くなるだけでなく内部に溜った湿気によるカビ等が発生する場合があります。そうするとケイ酸カルシウム板の軒天から湿気が抜け出ようとして黒ずみが出てきます。T様邸の軒天は比較的良好でした。
鼻隠には反りが見られました。湿気によって反りは大きくなるので早めに雨水の侵入経路を断つ必要が有ります。ジョイントの隙間をシーリングし、目荒らしをしてから同社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程を丁寧にきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
外壁は2種類の窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)でした。
外壁は2パターンが有り、夫々単色のサイディングでした。外壁は脆くなってひび割れや小さな傷が発生していました。一部、以前取り付けていた器具を外したビス穴もシーリングか不十分でした。濃い色の外壁は経年劣化で部分的に変色していました。
外壁塗装は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップを使用してツートンカラーでの塗りかえをお勧めしました。
外壁の縦目地ジョイントコーキングはひび割れて固くなり、隙間も発生していましたので打替が必要です。
窯業系サイディングにとってコーキングはとても重要です。隙間が発生した状態ですとサイディングの木口から雨水が入り込み、乾いて、湿ってを繰り返す事で脆く崩れやすくなってしまうからです。
コーキングはオート化学工業株式会社のオートンイクシードでの打替をお勧めしました。オートンイクシードは乾燥に時間が掛かる欠点が有りますが新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの耐久性、耐候性の超寿命のシーリング材です。
バルコニーは2箇所有り両方ともFRP(繊維強化プラスチック)防水になっていました。床は隅々までチェックしましたが基材のプラスチックには問題は有りませんでしたが、表面のトップコートは寿命が来ていました。
FRPは光や水に弱いのですが、これから守ってくれるのがトップコートです。ここは東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーでの塗りかえをお勧めしました。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が漏れ出た痕が見られ、漏れでた雨水の湿気で苔が生えてしまい大分汚れていました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。換気フードやシャッターボックス、水切等の鉄部も表面の塗装膜の劣化が進んでいました。これ等の箇所は目荒らしをしてからクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
基礎から出ている配管は4本有りましたが何れも周りのシーリングがされていませんでした。この部分は意外と雨水が配管を伝って基礎の内部に入り込んでしまう事が有ります。
この部分から雨水が侵入してしまうと内部はベタ基礎(建物の底面全体に鉄筋コンクリートを流し込んだ基礎の事)に雨水が溜ってしまい湿気が抜けにくくなってしまいます。ここはオートンイクシードでシーリングを行います。
何社か見積を取られるとの事ですが、安さに惑わされずに丁寧な補修を行い、お住まいの寿命も長くなる様に施工する優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。