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さいたま市見沼区のT様へ屋根塗装と外壁塗装、バルコニー防水トップコート、付帯部分の塗装や補修、コーキング打替の見積説明に伺いました。ご夫婦お揃いで熱心にお聞き下さり大変有難うございました。
インターネットの検索やお知り合いからのご紹介等で、うまく株式会社シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーです。塗装業界は経験が浅く乏しい知識でも独立してしまう様な結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧な補修や下地処理を行う優良な塗装業者を探すのは大変です。
株式会社シーベースのホームページは2016年の夏頃から現在まで約9年間ずっとグーグルやヤフー等の検索サイトで「さいたま市 塗装」や「さいたま市 外壁塗装」、「さいたま市 塗装業者」等というキーワードで検索すると常にトップページに表示され続けています。
一般消費者が塗装業者を探す場合は検索順位の上位しか見ないわけですから上位に表示される事は優位になります。検索順位を上げるのは大変な苦労が要ります。検索順位は日々のデータの蓄積により上下に変動するため「有益な情報だ」とグーグルやヤフーから判断された内容のページがより上位へと表示されます。
最近ではインスタグラムやグーグルのビジネスプロフィールへも投稿しています。今まで真面目にこつこつと地道に堅実に仕事をしている事を評価してくれているものだと考えます。とても有難い事です。
T様邸は郊外の環境の良い住宅地に立つ築18年の2階建てで初めての塗装工事です。
屋根は変形した寄棟造りで、スレート瓦が葺かれていました。寄棟造りは屋根形式のひとつで、数方向に傾斜する屋根面を持つ形状の事です。T様邸の屋根は7面有る、かなり複雑な形状でした。何か所か折れ曲がって谷部分も有るため、ジョイント部分からはどちらかと言うと雨もり等起きやすい構造なので注意が必要です。
屋根の棟板金には釘浮きやジョイントの隙間がかなり見られました。釘浮を放置したり、ただ打込んだだけだと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。これ等の箇所は強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
屋根の棟板金のジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。棟板金のジョイントのシーリングも必要になります。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
スレート屋根瓦の重なり部分からはかなり苔の吹き出しが見られました。内部に相当な湿気が溜っていると思われます。
もう一つ問題なのはケラバの板金がスレート瓦を包んでいない事でした。板金とスレート瓦の取合に隙間が有りましたので、この部分からも雨水は侵入して瓦の裏側へと流れ込んでしまいます。普通の雨なら板金の雨押えで何とか雨を下に流せるのですが大雨の時には完全にオーバーフローするためどんどんアスファルトルーフィングの方へ流れてしまいます。
この部分は雨水が入らぬ様に補修が必要になります。ご近所様も同じハウスメーカーらしくどのお宅も同様な状態でした。ハウスメーカーも、もっときちんとした施工をして欲しいと思いました。
また、ご近所様を塗装した業者はこの問題に気付かなかったのか、隙間はそのままで塗装していました。これでは残念ながら、そのお住まいの寿命は短くなってしまいます。
という事で、棟板金の釘浮きや釘頭のコーキングによる留め、板金のジョイントのシーリングを行い、ケラバでスレート瓦を包んでおらず、雨水が侵入している箇所のシーリングをしてからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコンでの塗りかえをお勧めしました。場合によってはクールタイトフッソでも良いと思います。
このクールタイトシリーズは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。色にもよりますが黒色や濃い茶色の場合は50~40%、白色や明るいブルー等の場合は80%以上の反射率が有りますので通常の塗料と比較するとかなり高性能です。
鼻隠はセメント板で変形や元々曲がったまま取り付けられたのかジョイント部分に隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると内部に溜った湿気によるカビ等が発生する場合があります。そうするとケイ酸カルシウム板の軒天から湿気が抜け出ようとして黒ずみが出てきます。T様邸の軒天も部分的に黒ずみが有りました。
鼻隠のセメント板でジョイント部分の隙間や、外壁と軒天との取合の隙間はシーリングを行い、鼻隠のセメント板は同社のクリーンマイルドシリコンで、軒天は日本ペイント株式会社のケンエースGⅡでの塗りかえをお勧めしました。
外壁は意匠サイディングの窯業系のボードでした。窯業系のボードはセメントと繊維質を混ぜた原料を板状の型でパターンの凹凸を付けて圧縮し、高温・高圧の中で固めた物です。焼いて作るものではないため湿気で変形したり吸水で脆くなったりします。
意匠外壁というのはきれいな模様をプリントしたサイディングです。西側はもろに西日が当たる性か、かなり変色が見られましたが何とかクリヤー塗装も出来そうでした。
外壁は全体的に撥水機能が低下して汚れの染みが激しくチョーキングが発生していました。
チョーキングと言うのは、別名「白亜化」とも呼ばれ、塗装表面が紫外線や熱、雨、風などの外的要因によって劣化することにより、塗料の色成分である顔料がチョーク(白墨)のように粉状になる現象です。これは、塗膜が劣化して機能を失い、塗装表面が雨水を撥水しにくくなってしまうため雨水の吸収と乾燥を繰り返すと非常に脆くなり割れや変形を起こします。塗装を再施行しても、表面の粉状の部分と一緒に塗膜が剥がれやすくなってしまうため塗装の持ちが悪くなって効果が持続せず、再度塗り直しが必要になる事があります。
シーベースでこの様な状態に塗装する場合は高圧洗浄で十分に劣化塗装膜を落とし塗潰しの場合は下塗材をたっぷりと吸わせて、意匠外壁の場合は1層目を十分に吸わせて下地を補強してから本塗装を行うので長持ちします。
外壁塗装は2通りの施工方法をご提案しました。一つ目はクリヤー塗装です。現状の色彩や模様がお好みであれば、今の時点ならクリア塗装(透明な塗料を使用して元の風合いを損なわぬ様に塗装する方法)が可能です。デメリットとしては経年劣化で退色や変色、汚れの染み付き、欠損箇所等は若干気になるかも知れません。シーベースの施工は可能な限り汚れを落とし、欠損部分は似た様な色を作ってタッチアップを行うため、かなり美しく仕上がります。
もう一つは多重多色塗装です。多重多色塗装というのは下塗が1層、中塗が2層、上塗が1層(状況により2層)で行います。塗装業者によってはダブルトーン塗装とかツートーン塗装等と言う人もいます。
中塗と上塗の色を変える事により外壁の凹凸によって色彩が変わるため立体感が生まれます。単色の塗潰しですと、のっぺりとした感じになるので多重多色塗装の方が高級感が生まれます。ただ1層余分に塗るため1工程増えるのでその分費用が掛かます。また色彩の組み合わせを失敗すると野暮ったく、安っぽくなってしまいます。シーベースでは色選びについてもアドバイスさせて頂きますので美しく仕上げる事が出来ます。
どちらも日本ペイント株式会社の塗料で透明な方はUVプロテクトクリヤーを、多重多色塗装はパーフェクトトップでの塗りかえをお勧めしました。
コーキングは外壁の縦目地も窓周りもかなり劣化が進んで剥離や穴あき等が有り全滅状態でした。
窯業系のサイディング外壁にとってコーキングは生命線です。コーキングの劣化によってジョイントから雨水が侵入し、乾燥してまた雨水が侵入し・・・を繰り返しているうちに木口の部分は粉に戻ってしまったり脆くなってボロボロに崩れてしまったりするからです。
また劣化が進んでしまうと新しくコーキングを打っても粉になった部分とは接着が甘くなるので剥離し易くなってしまいます。
コーキングの打替はオート化学工業株式会社のオートンイクシードをお勧めしました。オートンイクシードは新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの耐久性、耐候性の「超寿命シーリング材」で評判の良い製品です。
2階と1階の間には窯業系のモールが設置されていました。こちらもジョイント部分に隙間が発生していました。隙間とモールの上部をシーリングしてからクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
シャッターボックスや水切はスチール製でかなり変色が見られましたが錆び等は出ていませんでした。こちらもクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
バルコニーはFRP(繊維強化プラスチック)防水になっていました。隅々まで踏んでチェックしましたが基材には異常は見られませんでした。表面のトップコートは寿命が来ているので塗り替えが必要です。この部分は東日本塗料株式会社のAUコートでの塗りかえをお勧めしました。AUコートは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が漏れ出た痕が見られ、大分汚れていました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
劣化が進むと強風等に煽られただけで割れてしまう事が有りますので定期的なメンテナンスや塗りかえは大切です。こちらもクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
何社か見積を取られているとの事でした。安い、という事に惑わされず、丁寧な補修を行う優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。大変有難うございました。