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屋根を葺く材料は色々ありますが、日本では古来から銅板が屋根材の一種として用いられています。
銅板とは文字通り銅を板状にしたものですが、大気中で安定した保護膜を形成するために風雨や雪、日照などに対する耐性が良く、長い年月を経るにしたがい緑青色に変化していきます。
この緑青(ろくしょう)は、ほかの金属屋根には見られない特徴のひとつで、緑青が銅板屋根に発生すると表面をおおい、錆を中まで浸透させないように銅板自体を守る働きをします。
そのため、他の金属屋根などと比べると、塗装などを必要としない優れた特性を持っています。
また銅板は、軽くてやわらかく、たいへん加工しやすい材料です。
以上のような特性をもち、日本の風土や気候に適しているので、神社やお寺などの屋根によく使われてきました。
最近は一般住宅で見かけることは少なくなってきていますが、和風のデザインによくマッチし、寿命が長いので、その良さが再び見直されています。
加工性や展伸性が良いので、屋根全体のほかに玄関屋根や門の屋根などに使われたりもします。
一般の銅板のほかに、緑青コーティングや塗装により表面処理した硫化銅板、緑青鋼板などもあります。