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さいたま市大宮区のKマンションで屋上防水や外壁塗装、タイルの張替やタイル目地防水、タイルの伸縮目地打替、階段や通路の長尺シート防水等、大規模修繕が完工しました。何日か雨に悩まされましたが無理をせず、ゆとりを持って進めたので順調に作業が進みました。
オーナー様は昨年賃貸マンションの屋上防水とタイル目地防水、伸縮目地防水の工事をさせて頂いた建設会社A社様のご紹介です。A社様、大変有難うございました。
築30年、3階建てで1階は事務所としてテナントが入り、2階と3階部分が賃貸マンションになっています。複合建築で、初めての大規模修繕工事でした。
屋上は通気緩衝工法によるウレタン塗膜防水を行いました。施工前はゴムシート防水になっていますが、平場と立上りの取合部分やシート間のジョイントの接着が剥がれて隙間から雨水が侵入していました。劣化状態から判断しカバー工法で行う事にしました。
カバー工法というのは既存の防水層の補修後にそれをそのまま残し、その上から新しい防水層を形成する方法の事です。工期が短縮出来、既存の大部分も撤去処分しないため費用を大幅に抑えることが出来ます。
欠点としては既存部分が残るため平場の表面が多少凹凸になります。雨も凹部に溜り易くなります。耐久性としては既存防水層の劣化状態にもよりますが、今回の場合は全面撤去して新設する方法と比べると96%程の強度になります。
通気緩衝工法と言うのは、防水層の内部が熱で湿気が気化するとウレタン防水塗膜が膨れて傷むため、下地面とウレタン防水層の間を絶縁するために通気緩衝シートを入れ、気化した水蒸気を逃がす脱気塔を取り付ける工法の事です。
ウレタン塗膜防水と言うのはゴムの様なウレタンで継ぎ目の無いシームレスな防水層を形成する方法の事です。シート防水と比べると雨もりが発生した際等にどこが剥がれいるのか、穴が空いているのか等見つけやすい点です。シート防水の補修を何度頼んで雨漏りが止まらなかったという話をよく聞きますが、これは不具合箇所を適切に見つけられなかったため補修に見落としが発生するからです。
また、地震等で多少の歪みが起こっても割れたり剥がれたりする心配が無いのでこちらの複合建築物には最適です。
使用したのはAGCポリマー建材株式会社のサラセーヌ/ライトグレーです。ベランダは通気シートを張らないウレタン塗膜防水です。どちらもライトグレーに輝いてとてもきれいな仕上がりになりました。特にベランダ内は明るくなりました。玄関庇は東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーを使用しました。
建物の南北両サイドには屋根材のスレートが張られていましたが、これも殆ど表面の撥水膜が無くなっていました。この部分はエスケー化研株式会社のヤネフレッシュシリコン/RC-103 ココナッツブラウンで塗りかえました。建物全体は白色系なのでアクセントになって、とてもきれいです。
外壁はタイル張りですが、何か所も亀裂が入り剥落箇所や今にも剥落しかかっているタイルが有り危険な状態でした。
危険な箇所はタイルを撤去して貼り直しました。幸い竣工時の予備のタイルが有りましたのでそれを使用し、不足した箇所は市販品を使用します。若干色味やサイズが異なりました。なるべく目立たぬ箇所に使用したのですが、表面でも使用したため多少目立つ箇所も出てしまいました。
タイル目地は経年劣化が見られ、此処からも雨水が侵入していました。ALCにタイルを貼っているためどうしても雨水が侵入し易い構造になっていました。内部のモルタルの隙間を通ってタイル目地から流れ出る際にカルシウム分が溶けて出て来るため白っぽい汚れも目立ちましたがこれらは薬品洗浄で落としました。
タイルを貼替た後は、エスケー化研株式会社のタイルセラクリーンで目地防水を行いました。この部分からも雨水は侵入しやすいのでしっかりと防水を行いました。
タイル外壁の伸縮目地は殆ど全滅でここからも雨水が侵入していました。伸縮目地というのは温度変化による膨張収縮や地震等でタイルやコンクリート等を割れにくくするために設けている緩衝用の目地です。これ等は一旦撤去してコニシ株式会社のMSシールNBで打替ました。
窓周りや配管周りのコーキングも劣化しており留金具には打った痕が有りませんでした。この部分もシーリングを行いました。シーリングというのは隙間や穴、ひび割れ等で雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
軒天は雨もりの影響でボロボロになっていた箇所が有りましたが、これはボードを交換して日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえました。真っ白になって通路も階段も明るくなりました。
階段室は外壁のパネルが雨水を吸って膨らんだり剥がれたりしていました。この部分も何か所かパネルを貼り換え、同社のパーフェクトトップで今までのいろよりやや明るめの塗料で塗りかえました。
鉄製の階段に張られた防水シートも大分剥がれ錆て鉄部が膨らみ変形していましたがケレンして錆を落とし、膨らんだ部分は削り落とし、錆止塗装後にエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでササラ部分や上裏を塗装しました。
階段や通路はタキロンマテックス株式会社のタキステップ5Wやタキストロン/SA-885やや赤みの有る茶色を貼り込みました。これは踏面と蹴上部分が一体になっており滑り止めもついていて耐久性に優れ防水効果も安全性も申し分有りません。建物にぴったりの美しい色彩です。
鉄扉やスチールボックス等の鉄部や塩化ビニール製配管はクリーンマイルドシリコン/ライトグレーで塗り替えました。また鉄扉は歪みを直し、外れていた留め金は交換しました。
全体的にとても美しく仕上がりました。また先日の台風の大雨でも雨もりも無く、これで当分安心です。
テナント様やオーナー様にもお喜び頂き、とても嬉しく思いました。大変有難うございました。