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2023/12/30 (土)
さいたま市緑区のA様へ屋根塗装と外壁塗装の見積説明

さいたま市緑区のA様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼    さいたま市緑区のA様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼

 

 さいたま市緑区のA様に屋根塗装と外壁塗装、コーキング打替、ベランダ防水の見積説明に伺いました。ご夫婦お揃いで熱心に耳を傾けて下さり大変有難うございました。
 A様は2017年の秋に屋根塗装や外壁塗装等を施工させて頂いたご近所のO様のご紹介です。O様、大変有難うございました。
 屋根はスレート瓦で棟板金の釘が浮いていました。棟板金の釘浮を放置すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
 棟板金と降り棟の板金は取合部分をコーキングで塞いでいるのですが、こちらも劣化して穴の空いている箇所が見受けられました。スレート瓦は塗膜が劣化し撥水力が落ちているため北側はコケが多く見られました。
 困った事に下屋根のケラバの板金がスレート瓦を包んでおらず取合部分には大きな隙間が有りました。ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
 この隙間の下には一応水切が入っているのですが通常の雨量でオーバーフローしてしまい雨水がスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
 アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
 ただ一般的な建売住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。ハウスメーカーはこの様な構造や材質等、もう少しきちんと施工して欲しいと思います。
 屋根は釘浮きやジョイントの隙間、スレート瓦のひび割れ補修を行い、板金はケレンして錆を落とし錆止め塗装をし、下屋根のスレート瓦とケラバの隙間はシーリングをしてからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 これは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、建物内部に熱さが溜まりにくい性質が有ります。僅かですが室温を下げてくれます。屋根材の太陽光と熱によるダメージも軽減されます。またこの塗料はさいたま市より補助金が支給されるため僅かですがお客様のご負担も減る製品です。
 シーリングというのは経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
 目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
 表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
 逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
 破風・鼻隠のジョイントのコーキングは痩せてしまい僅かに隙間が有りました。隙間のシーリングを行い、目荒らしをしてからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 軒天と外壁の取合部分にも僅かな隙間が有りましたのでこの部分もシーリングを行ってから日本ペイント株式会社のケンエースGⅡでの塗りかえをお勧めしました。
 外壁は建物の下の方が茶系の単色で、中間から上の部分は意匠サイディングの2種類の窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)で僅かにチョーキングや反りが発生していました。外壁の厚みは12㎜位で部分的にひび割れも発生していました。
 外壁塗装で単色部分は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップで塗りかえ、意匠部分は単色塗り潰しかクリヤー塗装、多重多色塗装にする方法をご提案しました。
 単色で塗ってしまうとどうしてものっぺりとした仕上がりになってしまうためお住まいの雰囲気を損ねてしまう場合が有ります。ただK様のお住まいは外壁の凸凹の状態から見ると塗潰しでも違和感は有りません。
 クリヤー塗装というのは透明な塗料を使用してコーティングする様な感覚です。透明ですから現状の雰囲気や模様をそのまま損なう事無く塗装が出来ます。弊社で使用しているクリヤー塗料は主に日本ペイント株式会社のUVプロテクトクリヤーです。この塗料はサイディング外壁の美しいデザインや色彩を生かすための透明な塗料です。耐候性に優れ、紫外線吸収剤の働きで色あせも軽減します。また汚れに強く防藻・防かび性も備えた透湿性の塗料です。塗料が外壁に浸透するため褪せていた色彩も驚くほど美しく蘇ります。
 多重多色塗装というのは下塗が1層、中塗が2層、上塗が1層(状況により2層)で行います。
 中塗と上塗の色を変える事により外壁の凹凸によって色彩が変わるため立体感が生まれます。色彩の組み合わせを失敗すると野暮ったく、安っぽくなってしまいます。そうならぬ様に色選びには細心の注意が必要です。シーベースではそうならぬ様に色選びのアドバイスをさせて頂きます。また弊社の施工では微妙なグラデーションがとてもきれいに仕上げられます。
 コーキングは全体的に充填量が少なく、ひび割れや穴開き、剥離が全体に見られました。これ等の箇所はオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントでの打替をお勧めしました。
 樋も劣化が見られました。ジョイントには隙間が発生して雨水が漏れており、材質そのものも若干脆くなってきています。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
 縦樋の受け金物は、全て外壁のジョイントでコーキングに刺さっていました。これは非常に問題です。ジョイントのコーキングは10年程度で古い物を撤去して新しい物を充填し直さなければなりません。つまり打替が必要なのですが、こんなところに受金物が刺さっていると物理的にコーキングの打替は不可能になってしまいます。
 また、コーキングの内側には厚みが0.2mm程度のアルミのジョイントハットが入っているのですが縦樋を支えるだけの力は有りません。
 コーキングに縦樋の受け金物を刺してしまえばかなりの手間は省けますが、縦樋がズレてしまったりするリスクも考えられます。ハウスメーカーには真面目な仕事をして欲しいと感じました。
 シャッターボックスや水切も色褪せが見られました。バルコニーはFRP(繊維強化プラスチック)防水でした。基材には問題が有りませんでしたがトップコートは寿命が来ていました。
 シャッターボックスや霧除、水切、樋はエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 A様のお住まいには沢山のプランターが置かれていてきれいで心が和みます。ただ気を付けないと植物は外壁や外構を痛めてしまう事が有りま<emす。外構にはこの植物の根が張っていました。この根は塗装膜と一緒に撤去する以外方法が有りません。かと言って塗装膜を剥がすとなると手間も費用も大変です。今回は根の痕には目をつぶって頂いて塗りかえをした方が良いとお話ししました。
 一通り説明が終わると即決でご発注下さいました。この様にとんとんと話が進む現場は施工も順調に進み仕上がりも美しく長持ちする傾向に有ります。
 契約書を作成し年明けに印を頂きに伺います。どうぞ良いお年をお迎えください。大変有難うございました。