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さいたま市緑区のA様邸で屋根塗装と外壁塗装、コーキング打替、ベランダ防水トップコートが着工しました。
A様は2017年の秋に屋根塗装や外壁塗装等を施工させて頂いたご近所のO様のご紹介です。O様、大変有難うございました。
静かで環境の良い住宅地に立つ2階建てのお住まいです。つい先日まで奥様のご趣味でお住まいの周りに沢山のプランターが置いてあったのですが、すっかり片付けてまとめて下さったのでとても助かりました。そのプランターにはこの寒さの中でもきれいに咲いている花々が有りました。
本日初日は例によって足場の設置です。約5時間できれいに組み上がりました。水平と垂直を水準器で正確にチェックしながら慎重に作業を行いました。資材をハンマーで叩いて組み上げるので、かなりの騒音が出ましたので、ご近所の皆様、煩くなりまして大変ご迷惑をお掛けしました。また敷地の関係でお隣様の敷地にベースを置かせて頂き、そこから組み上げました。大変有難うございました。ご親切に感謝申し上げます。
屋根はスレート瓦で棟板金の釘が浮いていました。棟板金の釘浮を放置すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
棟板金と降り棟の板金は取合部分をコーキングで塞いでいるのですが、こちらも劣化して穴の空いている箇所が見受けられました。スレート瓦は塗膜が劣化し撥水力が落ちているため北側はコケが多く見られました。
困った事に下屋根のケラバの板金がスレート瓦を包んでおらず取合部分には大きな隙間が有りました。ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
この隙間の下には一応水切が入っているのですが通常の雨量でオーバーフローしてしまい雨水がスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な建売住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。ハウスメーカーはこの様な構造や材質等、もう少しきちんと施工して欲しいと思います。
屋根は釘浮きやジョイントの隙間、スレート瓦のひび割れ補修を行い、板金はケレンして錆を落とし錆止め塗装をし、下屋根のスレート瓦とケラバの隙間はシーリングをしてからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコン/CLR-103ココナツブラウンで塗りかえます。
これは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、建物内部に熱さが溜まりにくい性質が有ります。僅かですが室温を下げてくれます。屋根材の太陽光と熱によるダメージも軽減されます。またこの塗料はさいたま市より補助金が支給されるため僅かですがお客様のご負担も減る製品です。
シーリングというのは経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。今回はオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントを使用します。
目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
破風・鼻隠のジョイントのコーキングは痩せてしまい僅かに隙間が有りました。隙間のシーリングを行い、目荒らしをしてからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/白色に近いライトグレーで塗りかえます。
鼻隠の一部に極端な汚れが見られました。これは屋根の下の軒先唐草という板金の不具合の可能性が有りますので、これもチェックして直せるものなら直します。
軒天と外壁の取合部分にも僅かな隙間が有りましたのでこの部分もシーリングを行ってから日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえます。
外壁は建物の下の方が茶系の単色で、中間から上の部分は意匠サイディングの2種類の窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)で僅かにチョーキングや反りが発生していました。外壁の厚みは12㎜位で部分的にひび割れも発生していました。
外壁塗装で単色部分は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップ/ND-342(パステル調のやや濃い茶系)で、意匠部分は同社のUVプロテクトクリヤーで塗りかえます。
単色で塗ってしまうとどうしてものっぺりとした仕上がりになってしまうためお住まいの雰囲気を損ねてしまう場合が有ります。
クリヤー塗装というのは透明な塗料を使用してコーティングする様な感覚です。透明ですから現状の雰囲気や模様をそのまま損なう事無く塗装が出来ます。弊社で使用しているクリヤー塗料は主にUVプロテクトクリヤーです。この塗料はサイディング外壁の美しいデザインや色彩を生かすための透明な塗料です。耐候性に優れ、紫外線吸収剤の働きで色あせも軽減します。また汚れに強く防藻・防かび性も備えた透湿性の塗料です。塗料が外壁に浸透するため褪せていた色彩も驚くほど美しく蘇ります。
コーキングは全体的に充填量が少なく、ひび割れや穴開き、剥離が全体に見られました。これ等の箇所はオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントで打替を行います。これは色数も多いので外壁色に合わせやすく自然な仕上がりになります。また耐久性にも優れています。
樋も劣化が見られました。ジョイントには隙間が発生して雨水が漏れており、材質そのものも若干脆くなってきています。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
樋はジョイントの隙間を補修してエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/白色に近いライトグレーで塗りかえます。
縦樋の受け金物は、全て外壁のジョイントでコーキングに刺さっていました。これは非常に問題です。ジョイントのコーキングは10年程度で古い物を撤去して新しい物を充填し直さなければなりません。つまり打替が必要なのですが、こんなところに受金物が刺さっていると物理的にコーキングの打替は不可能になってしまいます。
また、コーキングの内側には厚みが0.2mm程度のアルミのジョイントハットが入っているのですが縦樋を支えるだけの力は有りません。
コーキングに縦樋の受け金物を刺してしまえばかなりの手間は省けますが、縦樋がズレてしまったりするリスクも考えられます。ハウスメーカーには真面目な仕事をして欲しいと感じました。
シャッターボックスや水切も色褪せが見られました。バルコニーはFRP(繊維強化プラスチック)防水でした。基材には問題が有りませんでしたがトップコートは寿命が来ていました。
霧除は屋根とのバランスを考えて屋根同色で塗りかえます。シャッターボックスや、水切はクリーンマイルドシリコンを調色してサッシの近似色で塗りかえます。調色と言うのは何色かの塗料を混ぜて色を作ります。ぴったり同じ色にはなりませんが、かなり近い色に出来るので自然な仕上がりになります。
A様のお住まいには沢山のプランターが置かれていてきれいで心が和みます。ただ気を付けないと植物は外壁や外構を痛めてしまう事が有ります。外構にはこの植物の根が張っていました。この根は塗装膜と一緒に撤去する以外方法が有りません。かと言って塗装膜を剥がすとなると手間も費用も大変です。今回は根の痕には目をつぶって頂いてパーフェクトトップ/ND-372(パステル調の薄い茶系ベージュ)で塗りかえます。
暫くご不便をお掛けしますがどうぞ宜しくお願いします。