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さいたま市見沼区、S様邸の屋根塗装と外壁塗装、コーキングの打替、ベランダの防水トップコート、付帯部分の塗装工事が完工しました。
残っていた作業のベランダと勝手口のFRP(繊維強化プラスチック)防水床はケレンして傷んだ塗装膜を撤去し、アセトンで拭取り、FRP用プライマーを塗布し、東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーで塗りかえました。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。新しいトップコートの輝きでバルコニーの中も明るくなりました。
また縦樋の破損部分のはジョイント用の縦管を使って補修が完了しました。最後に駄目拾いを行いました。駄目拾いというのは、塗料やコーキングの垂れや飛び跳ね、擦れ、はみ出し、バリの出っ張り等の補修の事です。どんなに丁寧に仕事をしても気付かぬ内にこれ等は起こります。上から下まで何度も見て回り不良個所の補修も完了しました。そして足場も解体されました。かなりの騒音が出ましたので、ご近所の皆様、煩くなりまして大変ご迷惑をお掛けしました。
主な工事内容は以下の通りです。
屋根はセメント瓦で苔が生え、角の部分は塗装膜が無くなっていました。瓦は釘止めされているのですが何本か抜け落ちており、浮いている釘も見られました。棟と降り棟のジョイントのシーリングも劣化しており雨水の侵入が懸念されていました。
シーリングというのは竣工時はもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
セメント瓦は陶器瓦と異なり通常塗装せずに使用できるのは30年前後と言われています。10年周期で定期的に塗装を行っている場合は約50年使用出来ます。
釘浮きや釘の抜け、棟と降り棟のジョイントのシーリングを行ってから一旦下塗材でしっかりと固め、エスケー化研株式会社のクールタイトシリコン/CLR-103ココナツブラウンで塗りかえました。
これは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、建物内部に熱さが溜まりにくい性質が有ります。僅かですが室温を下げてくれます。屋根材の太陽光と熱によるダメージも軽減されます。またこの塗料はさいたま市より補助金が支給されるため僅かですがお客様のご負担も減る製品です。濃い茶色に塗りかえられた屋根は重厚感が有って、とてもきれいに仕上がりました。
破風・鼻隠も塗装膜が弱り一部溶解が見られましたが、ジョイントによく有りがちな隙間は有りませんでした。
ケレンしてから同社のクリーンマイルドシリコン/15-20B濃い茶色で塗りかえました。ケレンというのはサンドペーパーやナイロンタワシで傷んだ素材や塗装膜、錆びや汚れ等落としたり微細な傷を付ける事です。表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりは滑らかで美しく塗り替えられました。
ケレンが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースをはじめ優良な塗装業者ではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
軒天は外壁との取合部分やジョイント部分に隙間が発生しており、ここから雨水や虫等の侵入が懸念されていました。隙間を補修してから日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえました。真っ白く塗りかえられてお住まい全体が明るくなりました。
外壁は2種類の窯業系サイディングで、単色部分はチョーキングを起こしていました。
窯業系サイディングと言うのはセメントと繊維質を混ぜた原料を板状の型でパターンの凹凸を付けて圧縮し、高温・高圧の中で固めた物です。焼いて作るものではないため湿気で変形したり吸水で脆くなったりします。無塗装の物、着色した物、インクジェットで様々な色や模様を付けたデザインの美しい物(意匠サイディング)等が有ります。
チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいます。反りや割れも見られました。また雨水の侵入と乾燥を繰り返していると元の粉に戻ってしまいやがてボロボロになってしまうので定期的な塗装は欠かせません。
S様のお住まいは単色部分と意匠サイディングが組み合わされていました。どちらも湿気を吸って変形やひび割れが見られました。
ひび割れを補修して単色部分は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップ/ND-503白色に近いクリーム色で塗りかえました。
意匠サイディングは多重多色塗装を行いました。外壁の凹んだ部分は同塗料のND-342 パステル調の明るい茶色で2層中塗を行い、表面の凸部分は同塗料のND-322 パステル調の明るい茶系ベージュで塗りかえました。外壁コーナー部分はケレンして錆止め塗装後に外壁塗料で塗り替えました。
意匠外壁はもう10年程度早ければクリア塗装(透明な塗料による塗装)をお勧め出来たのですがあちこち変色が進んでしまったため断念しました。
多重多色塗装というのは下塗が1層、中塗が2層、上塗が1層(状況により2層)で行います。
中塗と上塗の色を変える事により外壁の凹凸によって色彩が変わるため立体感が生まれます。しかし色彩の組み合わせを失敗すると野暮ったく、安っぽくなってしまいます。今回選ばれた色の組み合わせはとても良く、美しく立体的になりました。2階と1階の色彩のコントラストも美しく、良く調和しています。
外壁のジョイント部分のコーキングは全滅状態で内部のアルミジョイントハットが露出していました。
虫歯に例えると表面のエナメル質が傷んで、象牙質も浸食され神経まで侵されている状態でした。大分雨水が侵入している様です。また雨水を吸ったり乾いたりを繰り返しているため外壁の端の部分はかなり脆くなっていました。
コーキングはオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントで単色外壁は外壁色で、多重多色塗装部分は目地色で打替を行いました。窓周りや入隅は同材料で打増を行いました。入隅というのは外壁やサッシ等の取合が凹んでいる角の部分の事で物理的にコーキングを撤去出来ませんから既存の上から打ちました。
2階と1階の間にはモールが有りました。こちらも劣化が進んでおり一部外壁との取合に隙間が見られました。隙間を補修してクリーンマイルドシリコン/15-20B濃い茶色で塗りかえました。
雨戸は波型で、霧除や水切も塗装の劣化が進んでいました。樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
出来れば10年程度の間隔できちんと定期的に塗装を行えば家と同じ位の期間使用できるのですが脆くなってしまうと強風に煽られたり雪の重みで割れてしまう事が有ります。樋の交換費用は足場代も含めると50~60万円程度掛かります。これ等の箇所も隙間補修後にクリーンマイルドシリコン/15-20B濃い茶色で塗りかえました。
屋根、外壁、付帯部分共に茶系の塗料なので全体的にとてもバランスが良く美しく生まれ変わったお住まいは輝いて見えました。
お客様にもお喜び頂けた事を何より嬉しく思いました。大変有難うございました。