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2024/6/22 (土)
さいたま市緑区のI様へアパートの屋根塗装や外壁塗装

さいたま市緑区のI様からアパートの屋根塗装や外壁塗装の見積依頼    さいたま市緑区のI様からアパートの屋根塗装や外壁塗装の見積依頼

 

 さいたま市緑区のI様へアパートの屋根塗装や外壁塗装、付帯部分の塗装、不具合部分の補修の見積説明に伺いました。熱心にお聞き下さり大変有難うございました。
 アパートは住宅地に立つ築30年の2階建てで初めての塗装工事です。建物が敷地いっぱいに建っているため工事に必要な足場の設置には若干手間取りそうです。階段に続くタイルは一部欠損が見られました。
 屋根はスレート瓦でかなり釘浮きや釘の抜け落ち、棟板金のジョイントの隙間や捲れも見られました。だいぶ苔も発生しており殆ど撥水していない状態でした。
 釘浮や釘の抜けを放置したり、ただ打込んだだけですと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
 ジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
 屋根のケラバの板金がスレート瓦を包んでおらず取合部分には大きな隙間が有りました。ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
 この隙間の下には一応水切が入っているのですが雨量が多ければオーバーフローしてしまい雨水がスレート瓦の下のアスファルトルーフィングに流れてしまいます。アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぐための物です。
 ただ一般的な住宅等で使用されているアスファルトルーフィングは寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。スレート屋根瓦は汚れで見えませんが経験上ひび割れも有ると思います。
 釘浮きの補修や釘頭のコーキングによる留め、板金のジョイントのシーリングをしてからエスケー化研株式会社のヤネフレッシュシリコンでの塗装をお勧めしました。
 シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
 屋根には天窓が3つ有りましたが、1カ所は雨もりが有ったのか水切の補修がされていました。おそらくガラスとフレームの取合パッキンも傷んでいると思います。ガラスとフレームの取合にはコーキングでシーリングをお勧めしました。
 屋根の上裏は劣化が進んでいました。上裏と言うのは屋根を載せるための野地板の裏側の事です。塗装の剥離や木部の剥がれ等が見られました。
 この部分はケレンして木部用のシーラーを下塗してからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 ケレンというのはサンドペーパーやナイロンタワシで傷んだ素材や塗装膜、錆びや汚れ等を落としたり、微細な傷を付ける事です。表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
 逆にケレンが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
 破風・鼻隠はセメント板で一部割れが有り、全てのジョイント部分に隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると湿気が塗装膜を押して剥がれて来ます。一度こうなると塗装しても持ちは悪くなってしまいます。
 ひび割れや隙間を補修してからリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 ケイ酸カルシウム板の軒天と外壁の取合には隙間が見られました。この様な所からも雨水は侵入してしまいます。
隙間を補修してから日本ペイント株式会社のケンエースGⅡでの塗りかえをお勧めしました。
 外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)でした。
 経年劣化で反りやひび割れ、穴あきも見られました。外壁のジョイントコーキングはひび割れたり剥離したりして全滅の状態でした。
 こうなるとサイディング外壁の一番端の部分から雨水を吸ってしまい、乾燥と吸水を繰り返す事で脆くなって行き崩れたり粉の様に なってしまったりします。
外壁のコーナーには塩化ビニール被覆鋼板が使われていました。大変厄介な事に塩化ビニールが破け出している事です。鋼板には亜鉛メッキがなされていました。亜鉛は塗料を弾くため特殊なプライマーを塗ったとしても剥がれ易くなります。
 外壁のひび割れを補修し、コーナーの塩化ビニール被覆膜は撤去して特殊な接着剤を塗りエスケー化研株式会社のセラミシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 霧除やシャッターボックス、水切等の鉄部も表面の塗装膜の劣化が見られました。これ等の箇所はケレンしてクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 バルコニーは外付けなので防水の必要は有りませんでした。樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。隙間の補修後にクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 階段や通路の目隠しパネルはサイディングなのですが、裏側が無塗装のまま使用されていました。相当な湿気を含んでいる様子で、おそらく塗装しても膨れの発生が懸念されます。場合によってはこちら側は塗りかえずに洗浄のみで良いのではないかとご提案しました。
 通路の目隠しパネルやベランダ側のパーテーションのパッキンは全てたるんで落ちかけていました。不良パッキンは撤去してコーキングで留め、バネルはケンエースGⅡでの塗りかえをお勧めしました。
 その他の鉄部は大分錆が発生していましたのでケレンして錆止め塗装後にクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 玄関ドアはスチール製なのですが、部分的にアルミで飾りが付けられていました。全体的に変色が見られました。ここはスチール部分のみクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 オーナー様からは当初階段や通路に長尺シートを張りたい旨お話を頂いたのですがこちらのアパートの材質では接着しないのでこれは出来ない旨、ご説明しました。
 全体的にかなり痛みの激しい物件です。財産として維持するのであれば今回しっかりと補修しないと、半端な補修では2~3年で塗装の剥離やひび割れが発生して無駄な出費をしたことになると思います。
 まだこれから何社か見積を取られているとの事でした。金額だけにとらわれずきちんとした施工をする優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。