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さいたま市緑区のHY様邸の屋根塗装と外壁塗装、付帯部の塗装、コーキングの打替、バルコニー防水が完工しました。
HY様は今年の2月に塗装工事をさせて頂いた、ご近所のK様のご紹介です。先月もK様からご紹介頂いたT様邸が完工したばかりです。K様、大変有難うございました。
HY様邸は静かで緑豊かな環境の良い住宅地に立つ築27年の2階建てで、2回目の塗装工事です。お庭には沢山の植木が植えられていて、お手入れもされ目を楽しませてくれています。
残っていたバルコニー防水のトップコートや笠木の塗装、水切の塗装、エアコンホーステープの上巻、エアコンホースカバーの蛇腹交換、下屋根の上塗、ダメ拾い等、全て完了しました。
屋根はスレート瓦で施工前に僅かですが釘浮きや棟板金のジョイントの隙間も見られました。全体的に苔も発生して塗装膜も傷んで撥水していない状態でした。
釘浮を放置したり、ただ打込んだだけだと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
ケラバ部分では板金がスレート瓦を包んでおらず板金と瓦との間に隙間が有るため雨水が侵入し易くなっていました。通常の雨なら何とか雨押から雨水は流れ落ちるのですが大雨では雨押を越えてその下のアスファルトルーフィングに流れてしまいます。
板金のジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフィングに流れてしまいます。
アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。屋根瓦は大きなひび割れも見られました。その他、瓦の上下の重なり部分からは苔が噴き出している箇所も見受けられました。
屋根の上裏は前回の塗装工事では何もされておらず劣化が進んでいました。上裏と言うのは屋根を載せるための野地板の裏側の事です。塗装の剥離や木部の剥がれ等が見られました。
釘浮きの補修や釘頭のコーキングによる留め、板金のジョイントや、下屋根のケラバ部分で板金からスレート瓦がはみ出している部分のシーリングをしてからエスケー化研株式会社の遮熱塗料クールタイトシリコン/CLR-103ココナツブラウンで塗りかえました。白茶けていた屋根が濃い茶色に輝いてとてもきれいに仕上がりました。
この塗料は太陽光の反射率が高いため、建物内部に熱さが溜まりにくい性質が有ります。僅かですが室温を下げてくれます。屋根材の太陽光と熱によるダメージも軽減されます。またこの塗料はさいたま市より補助金が支給されるため僅かですがお客様のご負担も減る製品です。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
破風・鼻隠はセメント板でジョイント部分にやや隙間が見られました。ここからも雨水が侵入して内部に溜った湿気によるカビでケイ酸カルシウム板の軒天から湿気やカビが抜け出ようとして黒ずみが見られました。隙間を補修して同社のクリーンマイルドシリコン/15-20B濃い茶色で塗りかえました。こちらも輝きを取り戻しました。
軒天は前回の塗装がかなり剥離していたため全体をケレンして不良塗装膜を落としてから日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえました。真っ白く塗りかえられてお住まい全体が明るく感じます。
ケレンというのはサンドペーパーやナイロンタワシで傷んだ素材や塗装膜、錆びや汚れ等を落としたり、微細な傷を付ける事です。表面に微細な傷が付くと塗装膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に高温で圧縮形成した物)でした。僅かに反りやひび割れが見られました。外壁塗装は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップ/ND-372ベージュで行いました。塗りかえ前の色彩に近い色ですが、輝きが増して美しくなりました。
外壁のジョイントコーキングは固くなって寿命が来ていました。ここはオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントで打替ました。外壁の近似色で打ち替えたので自然な仕上がりになりました。
霧除やフード、雨戸、水切等の鉄部も経年劣化で色褪せていました。幸い錆の発生は見られませんでした。これ等の箇所はクリーンマイルドシリコン/15-20B濃い茶色で塗りかえました。こちらも夫々輝きを取り戻しました。
もう一カ所霧除が有りましたが、こちらは亜鉛メッキがされていたので塗装はしませんでした。亜鉛は塗料を弾いてしまうからです。
2カ所有るバルコニーは片方がアルミ製の外付けタイプなので問題有りませんでしたが、もう片方はモルタル防水になっていました。大分湿気が有るせいか苔の発生が見られました。一般的にモルタル防水の下地はシート防水等になっている事が多いのですが図面には詳細が無いため油断は出来ません。また仮にシート防水になっていたとしても劣化によりしっかり防水がされているのかもわかりません。今回は築年数が経過しているためウレタン塗膜防水を行いました。
ウレタン塗膜防水と言うのは施工中はドロドロした液体ですが乾くとゴムの様なウレタンで継ぎ目の無いシームレスな防水層を形成する方法の事です。シート防水と比べると雨もりが発生した際等にどこが剥がれているのか、穴が空いているのか等見つけやすい点が利点です。 シート防水の補修を何度頼んでも雨漏りが止まらなかったという話をよく聞きますが、これは不具合箇所を適切に見つけられなかったため補修に見落としが発生するからです。
また、地震等で多少の歪みが起こっても割れたり剥がれたりする心配が無いところが利点です。バルコニー内も防水床がライトグレーになった事でとても明るくなりました。
樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。塩化ビニール配管の留金物は若干錆が出ていました。金物はケレンして錆止め塗装をし、クリーンマイルドシリコンで塗りかえました。
塀はブロックにパターンが付けられて塗装されていましたがあちこちに膨れが発生して塗装膜も破れが見られました。こうなると内部にかなりの湿気が溜っていると思われます。剥離部分は大きめにカットして下地を補修してからカチオンで固めマスチックローラーで凹凸を付けました。
マスチックローラーというのはローラーの目が粗く作られているため転がすとさざなみ模様の様な凹凸が付き厚い塗装面になります。そのためモルタルの薄いブロック塀等で、ひび割れや膨れ等が起きにくくなります。そして外壁塗料で塗りかえました。
全体的に落ち着いた上品な色彩になりました。良い色をお選びになったと思います。お客様にお喜び頂けた事を何より嬉しく思いました。ご紹介下さったK様にもご報告とご挨拶に伺いました。大変有難うございました。