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2025/3/11 (火)
伊奈町のA様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼

伊奈町のA様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼
    伊奈町のA様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼

 

伊奈町のA様より屋根塗装と外壁塗装、バルコニー防水トップコートの見積ご依頼を頂きました。大変有難うございました。
早速現状調査に伺いました。緑が豊かで静かな住宅地に立つ2階建てで築35年のお住まいでした。A様は2年前に中古でこの物件を購入されたとの事です。
屋根はスレート瓦で表面も瓦の重なり部分からも苔の発生や吹き出しが全面に見られました。
原因はケラバの板金がスレート瓦を包んでおらず取合部分には大きな隙間が有り、ここから雨水が進入している事が原因です。ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
棟板金の釘も浮いていました。棟板金の釘浮を放置すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
棟板金と降り棟の板金は取合部分をコーキングで塞いでいるのですが、こちらも劣化して穴の空いている箇所が見受けられました。
これ等の箇所から雨水がスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。これが大量の苔の発生の原因です。ハウスメーカーはこの様な構造や材質等、もう少しきちんと施工して欲しいと思います。
屋根の上裏は殆どの箇所に腐れが見られました。複層構造のベニヤ板の表面が剥離していました。
破風・鼻隠と軒天、外壁はモルタルの一体型でツートンカラーに塗り分けられていました。変色やチョーキングが進みひび割れも見られました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいますので注意が必要です。
ひび割れはモルタルである以上避けられない問題です。何か所か見られましたが、致命的な箇所は無かったので心配要りません。モルタルは中の鉄製のラス網に引っ掛けて塗られています。
築7~8年位はモルタルが弱アルカリ性なのですが、経年劣化とともに徐々に中性化して行きます。そうするとひび割れから侵入した雨水が内部のラス網を錆びさせて膨張したり切れたりして強度が落ちてしまい、外壁の重みに耐えられずに最悪外壁が崩れたり落ちたりしてしまいます。特に亀の甲の様な形状のひび割れが有るとそのリスクは高まります。過去に何度もその様な建物を見ています。ですからひび割れを見つけた時は出来る限り早くひび割れを埋める等して補修が必要です。
外壁は下屋根のスレート瓦の上に乗って造られていましたがかなり問題の有る構造です。
樋も劣化が見られました。ジョイントには隙間が発生して雨水が漏れており、材質そのものも若干脆くなってきています。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
外壁の一部は不具合を起こしたのかサイディングを貼って補修されていましたがジョイントで隙間が発生している部分が有り雨水が侵入し易い状態になっていました。
霧除やフード、雨戸、水切も色褪せが有り一部錆の発生も見られました。フードは木枠に取り付けられていましたが、この木枠にも腐れが見られました。
バルコニーの手摺や笠木は所々塗装が剥離していました。下地は亜鉛メッキ鋼板なので塗装が接着していませんでした。
バルコニー床防水の基材はFRP(繊維強化プラスチック)で、基材には問題は有りませんでしたが表面のトップコートは傷んでいました。また勾配がかなり狂っているため雨水が溜ったままの状態になっていました。
中古物件を購入する際は十分に現状を確認しないと購入後に補修費がかさむことが有りますので注意が必要です。
見積の作成には約1週間頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。