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伊奈町のA様に屋根塗装と外壁塗装、バルコニー防水トップコートの見積説明に伺いました。熱心にお聞き下さり大変有難うございました。
A様のお住まいは緑が豊かで静かな住宅地に立つ2階建てで築35年のお住まいでした。A様は2年前に中古でこの物件を購入されたとの事です。
屋根はスレート瓦で表面も瓦の重なり部分からも苔の発生や吹き出しが全面に見られました。
原因はケラバの板金がスレート瓦を包んでおらず取合部分には大きな隙間が有り、ここから雨水が進入している事が原因です。ケラバと言うのは切妻屋根(屋根の最頂部である棟から地上に向かって二つの傾斜面が山形の形状をした屋根で2面だけで屋根が構成される、シンプルな屋根形状)の端で斜めに降りる部分の事です。
棟板金の釘も浮いていました。棟板金の釘浮を放置すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
棟板金と降り棟の板金は取合部分をコーキングで塞いでいるのですが、こちらも劣化して穴の空いている箇所が見受けられました。
これ等の箇所から雨水がスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。これが大量の苔の発生の原因です。ハウスメーカーはこの様な構造や材質等、もう少しきちんと施工して欲しいと思います。
この部分は雨水が侵入しない様にシーリングする様にお勧めしました。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
屋根は棟板金の釘浮や棟板金のジョイント、降り棟板金との取合部分を補修してからエスケー化研株式会社の遮熱塗料クールタイトシリコンかヤネフレッシュシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
遮熱塗料は太陽光の反射率が高いため、熱や紫外線による屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。自治体により遮熱塗装や断熱塗装をすると補助金を出してくれるところも有るので僅かですがお客様のご負担も減る製品です。
屋根の上裏は殆どの箇所に腐れが見られました。複層構造のベニヤ板の表面が剥離していました。このまま塗装しても1年も持たずに剥離してしまうので一旦カッターで切れ込みを入れて剥離部分をカットし、さらにケレンして腐れ部分を除去してから木部用のシーラーを塗り仕上げ塗料を塗る様にお勧めしました。
シーラーは塗装する対象物に染み込んで補強をし、微細なひび割れにも染み込んで塞ぎます。また仕上塗料との接着を良くする働きが有ります。
破風・鼻隠と軒天、外壁はモルタルの一体型でツートンカラーに塗り分けられていました。変色やチョーキングが進みひび割れも見られました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいますので注意が必要です。
ひび割れはモルタルである以上避けられない問題です。何か所か見られましたが、致命的な箇所は無かったので心配要りません。モルタルは中の鉄製のラス網に引っ掛けて塗られています。
築7~8年位はモルタルが弱アルカリ性なのですが、経年劣化とともに徐々に中性化して行きます。そうするとひび割れから侵入した雨水が内部のラス網を錆びさせて膨張したり切れたりして強度が落ちてしまい、外壁の重みに耐えられずに最悪外壁が崩れたり落ちたりしてしまいます。特に亀の甲の様な形状のひび割れが有るとそのリスクは高まります。過去に何度もその様な建物を見ています。ですからひび割れを見つけた時は出来る限り早くひび割れを埋める等して補修が必要です。
今回もシーリング材で埋める事をお勧めしました。
外壁は下屋根のスレート瓦の上に乗って造られていましたがかなり問題の有る構造です。これでは雨水がこの部分からモルタルへ吸われてしまうため劣化し易くなってしまいます。しかし現段階では作り直すには費用が掛かり過ぎるため築年数から考えて、このまま目をつぶる方が良い旨ご説明しました。
外壁の一部は不具合を起こしたのかサイディングを貼って補修されていましたがジョイントで隙間が発生している部分が有り雨水が侵入し易い状態になっていました。この部分はオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントで埋める様にお話ししました。
外壁塗装は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップかエスケー化研株式会社のセラミシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
霧除やフード、雨戸、水切も色褪せが有り一部錆の発生も見られました。フードは木枠に取り付けられていましたが、この木枠にも腐れが見られました。
これ等の箇所はケレンして錆を落とし、錆止め塗装後にクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
バルコニーの手摺や笠木は所々塗装が剥離していました。下地は亜鉛メッキ鋼板なので塗装が接着していませんでした。
亜鉛メッキは塗料を弾くためよく目荒らしをして特殊なプライマー(接着剤)を塗ってからクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
バルコニー床防水の基材はFRP(繊維強化プラスチック)で、基材には問題は有りませんでしたが表面のトップコートは傷んでいました。また勾配がかなり狂っているため雨水が溜ったままの状態になっていました。
勾配を直すにはやはりそれなりの費用が掛かります。築浅ならば直す事をお勧めしますが今更の感が有るのでこちらも目をつぶって頂き東日本塗料株式会社のAUコートでの塗りかえをお勧めしました。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
樋も劣化が見られました。ジョイントには隙間が発生して雨水が漏れており、材質そのものも若干脆くなってきています。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
また大屋根(2階の屋根)から落ちる雨水が縦樋から直接下屋根(1階の屋根)に流れていました。縦樋から繋がる筈の這樋が2本とも割れて無くなっていました。こちらも樋を継ぎ足して補修するよりも目をつぶってしまうのも有りと、ご説明しました。勿論補修する事は可能です。
中古物件を購入する際は十分に現状を確認しないと購入後に補修費がかさむことが有りますので注意が必要です。
何社か見積をご依頼されているそうです。安いという事にとらわれずきれいに仕上がりかつ長持ちする様にきちんと補修を行う優良な塗装業者をお選び下さる事をお祈りします。