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さいたま市北区のO様へタイルの目地防水のための外壁塗装やタイル目地の打替、窓周りのシーリング、ベランダの防水等の見積説明に伺いました。ご夫婦お揃いで熱心にお聞き下さり大変有難うございました。
静かな住宅地に立つ築30年で3階建てのお住まいで初めての塗装工事でした。O様はシーベースをインターネットで探され、塗装業者を検索して見つけたとの事です。ここ数年インターネットからの見積ご依頼がとても増えています。とても有難い事です。
株式会社シーベースのホームページは2016年の夏頃から現在まで約8年間ずっとグーグルやヤフー等の検索サイトで「さいたま市 塗装」や「さいたま市 外壁塗装」、「さいたま市 塗装業者」等というキーワードで検索するとトップページに表示され続けています。
検索順位を上げるのは大変な努力と苦労が必要です。検索順位は日々のデータの蓄積により上下に変動するため「有益な情報だ」とグーグルやヤフーから判断された内容の塗装業者がより上位へと表示されます。
2023年からはインスタグラムやグーグルのビジネスプロフィールも始めました。今まで真面目にこつこつと地道に堅実に仕事をしている事を評価してくれているものだと考えます。とても有難い事です。
インターネットやご紹介等でうまくシーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーだと思います。塗装業界は結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧で優良な塗装業者を探すのは大変です。
お住まいは敷地いっぱいに建てられていて敷地から組み上げると軒先に当りそうでした。築4年の時に中古でご購入されたとの事でした。かなり良い物件だとのお話だった様です。
O様もタイル目地や雨もり、ベランダの防水の状態についてかなり気になっていたとの事でした。
屋根は1.5寸勾配位の金属製で銅板葺きとの事でした。銅で有れば塗装の必要は無いのですが万一鉄釘や鉄製の役物が使用されていた場合は鉄釘の錆びが懸念されます。鉄と銅の組み合わせでは鉄が銅よりも電位が低く、イオン化傾向が高いため鉄が陽極となりやすく電気化学的反応によって鉄が腐食してしまうからです。
撮った写真を見ると心木の無い瓦棒葺の構造でした。瓦棒葺き屋根には、心木あり瓦棒葺きと心木なし瓦棒葺きの2種類があります。
O様の屋根は心木無しでした。心木無しというのは瓦棒に木材の心木を入れないで、長尺の金属板で瓦棒を覆う屋根の葺き方です。心木を必要としないため木材による腐食は起こりません。溝板の上部にキャップ(瓦棒包み板)をかぶせて仕上げます。端のキャップには茶色い汚れが見られました。これがキャップの錆なのか、汚れなのかはイマイチ不明でした。
3階から屋根に上るためのステンレス製の梯子が付いているのですが全体の劣化状態から判断すると梯子のアンカーが付いている内部の腐食の度合いが分からず危険なので登るのはやめました。ですので、実際はどの様な材質なのかは工事の時に足場を掛けてみないと分かりません。
破風・鼻隠は図面によるとセメント板になっていましたが実際にはタイルが貼られていました。タイル目地から雨水の染み出しが見られました。
軒天はケイ酸カルシウム板であちこち雨もり染みが見られました。大分脆くなっている様でした。軒天に取り付けられているアルミ製の物干しハンガーはビス留めされているのですがかなり錆が発生していました。この部分はケレンして錆止め塗装後にエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
ケレンというのはサンドペーパーやナイロンタワシで傷んだ素材や塗装膜、錆びや汚れ等を落としたり、微細な傷を付ける事です。表面に微細な傷が付くと塗装膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程を丁寧に行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
外壁にはタイルが貼り着けられていましたが打診検査をするとかなりの箇所で接着が甘く浮いている箇所やタイルが剥がれかかっている所が有りました。
図面を拝見すると下地はALCパネルでした。ALC というのは、セメントペーストに発泡剤を加えて内部を金属網で補強した軽量気泡コンクリートの事です。軽くて成形や施工が楽なのですが塗装膜が劣化すると雨水が染み込んでしまい補強のための内部のラス網が錆びて切れてしまい強度が落ちたり崩れたりしてしまいます。つまりALCにとって表面の塗装膜は非常に重要な働きをします。しかしO様邸では塗装ではなくタイルが貼られているため防水がしづらくなっています。
本来ALCにタイルを貼る事は避けないといけません。何故かというとALCパネルの表面強度がコンクリートに比べて弱いため、重量のあるタイルを直接貼る事が出来ないからです。ALCパネルの上にモルタルを塗ったとしてもタイル目地や下地モルタルが吸水・保水する事で劣化が進行してしまい、タイルの剥落が起き易く危険だからです。タイル目地も大分劣化が進み隙間や剥落が見られました。
一刻も早く何か所も剥離しているタイルは貼り直し目地の打替と目地防水が必要な旨お話ししました。
タイル目地の劣化部分は撤去してモルタルで補修が必要です。目地の補修後には同社のタイルセラクリーンでの目地防水をお勧めしました。
外壁でモルタル部分は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップでの塗りかえをお勧めしました。
窓周りのシーリングは経年劣化により全滅状態でした。これによりあちこちの箇所から雨漏りが起こっている様です。3階の一部屋を拝見したところ雨もり痕やカビの染みが見られました。
シーリングというのは建物を建てる時だけでなく経年劣化や建物の歪みによって発生する隙間や穴、ひび割れなどをコーキング等で埋めて塞いで雨水等が進入しない様にする事です。
これ等のシーリング部分はオート化学工業株式会社のオートンイクシードで打ち換える様にお勧めしました。
外壁の2面は基礎よりも外壁が外側に有りましたが南面と西面は基礎の方が外側に出ていました。これも問題でこの構造では外壁と基礎との取合部分から雨水が進入してしまいます。この取合部分はオートンイクシードでシーリングをお勧めしました。
シャッターボックスや霧除は錆びは出ていませんでしたが劣化によりかなり変色していました。これ等の部分はクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
ベランダは2階、3階ともゴムシート防水になっていました。経年劣化により縮んでおり、亀裂が見られました。また勾配の狂いやドレンの排水口が盛り上がっている等、雨水の流れが悪くなっていました。
防水工事をする場合はエアコンの室外機を吊るか移動させないといけないのですが配管がギリギリに付けられているためかなり難しそうです。メンテナンスのための遊びを取って置かなければならない事をこれを取り付けた電気屋さんは知らなかったのかと思います。
防水工事は通気緩衝工法によるウレタン塗膜防水をお勧めしました。通気緩衝工法と言うのは、建物の内部で熱により湿気が気化するとウレタン防水塗膜が膨れて傷むため、下地面とウレタン防水層の間を絶縁するために通気緩衝シートを入れ、気化した水蒸気を逃がす脱気塔を取り付ける工法の事です。
ウレタン塗膜防水と言うのはゴムの様なウレタンで継ぎ目の無いシームレスな防水層を形成する方法の事です。シート防水と比べると雨もりが発生した際等にどこが剥がれいるのか、穴が空いているのか等見つけやすい点が利点です。シート防水の補修を何度頼んで雨漏りが止まらなかったという話をよく聞きますが、これは不具合箇所を適切に見つけられなかったため補修に見落としが発生するからです。
また、地震等で多少の歪みが起こっても割れたり剥がれたりする心配が無いのでこちらのマンションには最適です。
使用材料はAGCポリマー建材株式会社のサラセーヌをお勧めしました。丈夫で長持ちしてくれます。
横樋は塩化ビニール製の半月型になっていて樋受金物には錆の発生が見られました。縦樋も塩化ビニール製でやはり樋受金物のビスは大分錆びていました。
樋本体も大分変色していました。樋の変色は甘く見てはいけません。劣化して加水分解を起こしているからです。
加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
酷くなると割れて交換が必要になる場合が有りますがかなりの費用が掛かりますから定期的に塗装して保護した方が良いと思います。
樋受金物はケレンして錆を落とし錆止め塗装をした後、樋本体と一緒にクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
全体的にかなり劣化が進んでいました。虫歯で言えば表面のエナメル質が傷んで、象牙質も浸食され神経まで侵されている状態でした。虫歯と同じで痛んでから治療するより、痛まない様にメンテナンスをする方がお住まいの寿命はぐんと長くなります。それを今更言っても仕方が無いのですが一刻も早くきちんとしたメンテナンスをお勧めします。自家用として使用するにしても売却するにしても、賃貸として使用するにしても、きちんとしたメンテナンスをしておいた方が必ず将来のためになる筈です。
何社か見積を取っているとの事でした。安い、という事に惑わされず正しく丁寧な補修をする優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。