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さいたま市大宮区のIT様邸で外壁塗装が完工しました。残っていた屋根瓦の釘浮補修と頭留や水切の塗装、エアコンホーステープの上巻とエアコンカバーの復旧、基礎の配管のシーリング等が完了し、全ての工程が終了しました。
ここ数年来、一番暑い中での作業になりましたが、職人たちは皆頑張って良い仕事をしてくれました。
IT様は2018年に屋根塗装と外壁塗装を施工させて頂いたH様のお勤め先のご同僚との事でご紹介を頂きました。H様からのご紹介やご近所の方々からは既に十数件も施工させて頂きました。H様、大変有難うございました。
うまく株式会社シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーです。塗装業界は経験が浅く乏しい知識でも独立してしまう様な結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧な補修や下地処理を行う優良な塗装業者を探すのは大変です。こうしてご紹介による場合はシーベースの施工実例をご覧になったり、施工されたお客様が感じられた印象やご感想も有るのでご安心で信頼できると思います。
IT様邸は郊外の住宅地に立つ築14年の2階建てで初めての塗装工事です。とてもかわいいトイプードルがいます。人懐こいワンちゃんです。作業中も時々お住まいの中から鳴き声が聞えて来ました。
屋根は陶器瓦ですので塗装はしないのですが何か所か釘の浮きが見られました。釘浮を放置したり、ただ打込んだだけですと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って内側の木部に染み込み木を腐らせてしまいますので注意が必要です。弊社で施工する際は必ず釘を打ち込み箇所によってはコーキングで釘頭を留めてやります。こうすればもう浮いて来る事は無くなります。
破風・鼻隠はセメント板製でした。ジョイントには隙間が有り、釘留め周辺にはひび割れも発生していました。これは建てる際に大工さんが細い釘穴を空けずに直接打込んでしまったからです。隙間やひび割れから雨水が進入するとセメント板の劣化が進んでしまいます。また雨水の進入でセメント板の内部から湿気が抜け出ようとして塗装膜が押されたため塗装膜の剥離が発生していました。ひび割れや所やジョイントの隙間はシーリングを行います。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
破風・鼻隠は隙間をシーリングしてからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/白色に近いライトグレーで塗りかえました。くすんでいた色彩も輝きを取り戻しました。
軒天はケイ酸カルシウム板製でした。破風・鼻隠や外壁との取合に隙間が発生していました。ここからも雨水が侵入してしまうのでシーリングを行い日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえました。艶消し白色は光を乱反射するので真っ白に見えます。そのためお住まい全体が明るくなりました。
外壁は窯業系のサイディングボードです。窯業系のボードはセメントと繊維質を混ぜた原料を板状の型でパターンの凹凸を付けて圧縮し、高温・高圧の中で固めた物です。焼いて作るものではないため湿気で変形したり吸水で脆くなったりします。
外壁のコーナーには大分傷が見られました。元々は外壁の表面にきれいな模様がプリントされていましたが大分変色と変質が進んでしまったためクリヤー塗装は断念しました。クリヤーで塗装をするとある程度は色彩が戻って来るものなのですが変色と変質が進んでしまうとそのままの状態が出てしまうため美しい仕上がりにはなりません。あと4から5年位早く施工出来れば元のきれいな模様を損なう事無く費用も掛けずにクリヤー塗装が出来たと思いますので残念です。
また全体的に撥水機能も低下していて苔が繁殖していました。苔も建材をむしばんでしまうので年に1回位はホースのノズルを絞って外壁等を洗って埃を流してやると苔は生えにくくなります。
そのため多重多色塗装で外壁塗装を行う事になりました。多重多色塗装というのは下塗が1層、中塗が2層、上塗が1層(状況により2層)で行います。塗装業者によってはダブルトーン塗装とかツートーン塗装等と言う人もいます。
中塗と上塗の色を変える事により外壁の凹凸によって色彩が変わるため立体感が生まれます。単色の塗潰しですと、のっぺりとした感じになるので多重多色塗装の方が高級感が生まれます。ただ1層余分に塗るため1工程増えるのでその分費用が掛かます。また色彩の組み合わせを失敗すると野暮ったく、安っぽくなってしまいます。シーベースでは色選びについてもアドバイスさせて頂きますので美しく仕上げる事が出来ます。
今回は日本ペイント株式会社のパーフェクトシーラーで下塗を行った後、凹部分はパーフェクトトップ/ND-012 ライトグレーで中塗を2層行い、凸部分をパーフェクトトップ/ND-013 グレーで合計4層仕上げで塗りかえました。
コーキングは外壁の縦目地も窓周りもかなり劣化が進んでいました。縦目地では僅かですが剥離や穴あきも見られました。それら以外の箇所も固くなっていていつ穴が空いてもおかしくない状態になっていました。
窯業系のサイディング外壁にとってコーキングは生命線です。コーキングの劣化によってジョイントから雨水が侵入し、乾燥してまた雨水が侵入し・・・を繰り返しているうちに木口の部分は粉に戻ってしまったり脆くなってボロボロに崩れてしまったりするからです。また劣化が進んでしまうと新しくコーキングを打っても粉になった部分とは接着が甘くなるので剥離し易くなってしまいます。虫歯と同じで痛んでから治療するより、痛まない様にメンテナンスをする方がお住まいの寿命はぐんと長くなります。
コーキングはオート化学工業株式会社のオートンイクシードで外壁の凹部の近似色で打替を行いました。
オートンイクシードは新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの耐久性、耐候性の「超寿命シーリング材」で評判の良い製品です。
シャッターボックスと水切はクリーンマイルドシリコン/サッシ色に合わせて塗りかえました。こちらも施工前は色褪せていましたが、すっかりきれいになりました。
窓には1ヶ所だけ木製の格子が付いていました。僅かに腐れも見られます。この部分は腐れ部分をケレンして削り落としてから大阪ガスケミカル株式会社の防腐塗料、キシラデコールで塗りかえました。
キシラデコールは浸透性の防腐塗料なので木が腐りにくくなります。塗り潰しと異なり木目の雰囲気もそのまま生かされるので、とてもきれいに仕上がります。
施工前は格子が外壁に直付けされていたため雨水の流れが悪く、木部もサイディングも劣化が進んでいました。雨水が滞留しない様に両社の間にスペーサーを入れて2mm程の隙間を作りましたので雨水の流れは良くなったと思います。
バルコニーはFRP(繊維強化プラスチック)防水床になっており、隅々まで踏んでみましたが基材には問題は有りませんでした。トップコートは大分傷んでおり僅かにひび割れも見られました。
バルコニー防水床は東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーで塗りかえました。AUコートは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。バルコニーの中も、とても明るく輝いてきれいになりました。
樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が漏れ出た痕が見られ汚れていました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。加水分解も適切な間隔(約10年位)で塗装していると有る程度は加水分解による変質を防ぐことが出来ます。樋の交換費用は意外と掛かるもので建坪約100㎡程度のお宅の場合50万円前後掛かります。樋は塩化ビニール製ですのでクリーンマイルドシリコンで横樋は白色に近いライトグレーで、縦樋は黒色で塗りかえました。こちらも輝きを取り戻しました。
縦樋の受金物が外壁の縦目地コーキングの中に刺さっていました。これは問題です。これではこの部分のコーキングの打替が出来なくなってしまうからです。もちろん縦樋を外せば打ち換えられるのですが排水部分は地面の中に有るため、撤去復旧には3万円から4万円程度余計に費用が発生してしまいます。ハウスメーカーは建てるだけでなく将来のメンテナンスの事も考えて受金物の取り付け位置を外壁の縦目地から4cm前後は離れた位置に取り付ける等きちんとした施工をして欲しいと感じました。
全体的にモノトーンで落ち着いた雰囲気で、とても美しく仕上がりました。長い間ご不便をお掛けしました。大変有難うございました。