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2025/8/10 (日)
さいたま市西区のO様へ外壁塗装の見積説明

さいたま市西区のO様より外壁塗装の見積依頼    さいたま市西区のO様より外壁塗装の見積依頼

 

 さいたま市西区のO様へ外壁塗装やコーキングの打替、ベランダFRP(繊維強化プラスチック)防水トップコート、付帯部分の塗装の見積説明に伺いました。熱心にお聞き頂き大変有難うございました。
 インターネット検索で株式会社シーベースのホームページを見つけられたり、ご紹介等で、うまく株式会社シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーです。塗装業界は経験が浅く乏しい知識でも独立してしまう様な結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧な補修や下地処理を行う優良な塗装業者を探すのは大変です。
 O様邸は緑豊かで静かな農村地帯に立つ築22年の2階建てで初めての塗装工事です。敷地が広いため足場の設置は楽に出来そうでした。
 屋根は陶器瓦の寄棟造りでした。寄棟造りは屋根形式のひとつで、数方向に傾斜する屋根面を持つ形状の事です。
 瓦のズレや欠損は有りませんでしたが棟瓦と降り棟瓦を固定している釘が若干飛び出している様でした。これは確認と補修が必要な旨お伝えしました。
 鼻隠は板金製でジョイントには僅かに隙間が有り、雨水が侵入していると思われ、その下の軒天周りの材木や軒天の一部に腐れが有りました。
 鼻隠板金はジョイントのシーリングが必要です。また経年劣化による色褪せも進んでいましたが錆は見られませんでした。
 シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
 軒天はケイ酸カルシウム板製で、内部から抜け出た湿気やカビによる汚れが見られました。鼻隠から侵入した雨水によって軒天を支える材木が腐ってしまったためケイ酸カルシウム板が2枚ほど落ちていました。
 この部分は、内部の下地となる材木の腐った部分は撤去して新たに角材で下地を造り、ケイ酸カルシウム板も脆くなってしまった箇所も撤去して新しいケイ酸カルシウム板を張り替えるようにお勧めしました。
 外壁は窯業系サイディングボードでした。窯業系のボードはセメントと繊維質を混ぜた原料を板状の型でパターンの凹凸を付けて圧縮し、高温・高圧の中で固めた物です。工場であらかじめ成型・塗装され、現場で取り付けるため、工期が短く済み、品質が安定しています。焼いて作るものではないため湿気で変形したり吸水で脆くなったりします。
 2階部分が単色で1階部分は意匠サイディングでした。「意匠サイディング」というのはデザイン性や装飾性を重視して作られた外壁に張るパネル状の外装材で、住宅の外壁に広く使用されています。全体的に撥水機能が低下して雨水が浸透しているようでした。
 2階部分は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップでの塗りかえをお勧めしました。1階部分はパーフェクトトップで塗り潰すか、同社のUVプロテクトクリヤーでの塗りかえの2通りの方法をご提案しました。
 UVプロテクトクリヤーは美しいデザインや色彩を生かすための透明な塗料で耐候性に優れ、紫外線吸収剤の働きで色あせも軽減します。また汚れに強く防藻・防かび性も備えた透湿性の塗料です。塗料が外壁に浸透するため褪せていた色彩も美しく蘇ります。
 コーキングは外壁の縦目地も窓周りも酷く劣化が進んでいました。殆ど無くなっている状態です。ここまで傷んでしまうとコーキングを打替える際に古いコーキングを引っ張って剥がそうとしても崩れるだけなので撤去にはかなりの手間が掛かります。
 窯業系のサイディング外壁にとってコーキングは生命線です。コーキングの劣化によってジョイントから雨水が侵入し、乾燥してまた雨水が侵入し・・・を繰り返しているうちに木口の部分は粉に戻ってしまったり脆くなってボロボロに崩れてしまったりするからです。また劣化が進んでしまうと新しくコーキングを打っても粉になった部分とは接着が甘くなるので剥離し易くなってしまいます。
 コーキングはオート化学工業株式会社のオートンイクシードでの打替をお勧めしました。オートンイクシードは新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの耐久性、耐候性の「超寿命シーリング材」で評判の良い製品です。
 2階と1階の間には窯業系のモールが設置されていました。こちらもジョイント部分に隙間が発生しておりかなり脆く変質していました。
 隙間をシーリングしてからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 シャッターボックスや霧除、水切はスチール製で変色が見られましたが錆び等は出ていませんでした。
 これ等の箇所も目荒らしをしてからクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
 表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の接着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
 逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程を丁寧にきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
 ベランダのFRP(繊維強化プラスチック)防水床の基材は隅々まで踏んで確認しましたが問題は有りませんでした。ここにはポリカーボネート製の庇が有るので痛みにくかったのだと思います。それでもFRPを守るためのトップコートは劣化が見られましたので塗りかえが必要です。
 防水床は東日本塗料株式会社のAUコートでの塗りかえをお勧めしました。AUコートは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。バルコニーの中も、とても明るく輝いてきれいになりました。
 樋は塩化ビニール製で変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が漏れ出た痕が見られ汚れていました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
 定期的に塗りかえを行えばお住まいと同程度の寿命になりますがこれを怠ると割れ等が発生して交換が必要になる場合が有ります。
 樋の交換には約50万円程度掛かりますので、そうならぬ様に塗装による保護をお勧めします。樋も目荒らしをしてからクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 困った事に縦樋の受金物が外壁の縦目地コーキングの中に刺さっていました。これは問題です。これではこの部分のコーキングの打替が出来なくなってしまうからです。もちろん縦樋を外せば打ち換えられるのですが排水部分は地面の中に有るため、撤去復旧には3万円から4万円程度余計に費用が発生してしまいます。またこの様な施工では金物の釘は外壁の裏側の僅か0.2mmのアルミ製ジョイントハットに刺さっているため、ジョイントハットを変形させたり縦樋自体が重力で下がってしまい横樋を下へ引っ張って落としてしまいます。ハウスメーカーは手抜きをせずに、ただ建てればいいという姿勢でなく将来のメンテナンスの事も考えて受金物の取り付け位置を外壁の縦目地から4cm前後は離れた位置に取り付ける等きちんとした施工をして欲しいと感じました。
 基礎と配管との取合にはシーリングがされていませんでした。この部分は意外と雨水が侵入し易く、かつなかなかそれに気づく人もいないため気が付いた時にはかなり雨水が入り込んでいて湿気によるダメージが進んでしまっている事が有ります。この部分もオートンイクシードでのシーリングをお勧めしました。
 何社か見積を取られているとの事ですが、安い・・・という事に惑わされず、下地の補修等、見えない部分もきちんと補修する優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。