お問い合わせ
良い業者の見分け方 お問い合わせから完工まで 成功する外壁塗装 会社案内 お客様の声 よくわかる用語集 建築に役立つ建物名称 火災保険適用 助成金について あんしん保証 シーベースブログ 協力業者募集
2025/9/19 (金)
さいたま市北区のK様へ屋根塗装と外壁塗装の見積説明

さいたま市北区のK様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼    さいたま市北区のK様より屋根塗装と外壁塗装の見積依頼

 

 さいたま市北区のK様へ屋根塗装と屋根のカバー工法、外壁塗装、付帯部分の補修と塗装、コーキングの打替、バルコニーFRP(繊維強化プラスチック)防水トップコートの見積説明に伺いました。ご夫婦お揃いで熱心に耳を傾けて頂き、大変有難うございました。
 K様は昨年9月に工事をさせて頂いたK様のお隣様でした。ご近所で塗装工事が有ると実際に施工する職人達や仕上がりの状態を見る事が出来るので安心だと思います。
 こうして株式会社 シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーだと思います。塗装業界は結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧に補修し下地処理をしっかりと行って長持ちする施工をする優良な塗装業者を探すのは大変です。
 ハウスメーカーはT社で、環境の良い住宅地に立つ築20年の2階建てで初めての塗装工事です。

屋根

 屋根はスレート瓦でニチハ株式会社のパミールで、層間剥離を起こしていました。この製品は石綿が使用されなくなってからの製品で強度に問題が有る屋根材です。棟板金は釘浮きやジョイントの隙間が多数見られました。
 層間剥離というのは何重にも重なっている層が分離して膨らんでしまった状態の事です。それぞれの層が薄くなってしまっているためバリバリに割れていました。
 これはとても厄介でシーベースの技術力ならば塗装でも可能ですが、通常はカバー工法等で葺替が必要になる案件です。塗装とカバー工法の両方のご提案をしました。それぞれメリット、デメリットが有ります。
 板金の釘浮を放置したり、ただ打込んだだけだと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。棟板金のジョイントでは折り曲げ加工部分がきちんと咬み合わせがされていなかったので浮いてしまっている箇所が有りました。これ等の箇所は強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
 ジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
 アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
 ただ一般的な住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。

屋根塗装の場合

 屋根塗装の場合は屋根板金の釘浮きの補修と釘頭のコーキングによる留め、棟板金のジョイントの隙間のシーリングを行います。
 シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
 そうして割れているスレートを撤去し、エスケー化研株式会社のマイルドシーラーEPOで下塗を2~3層行って下地を補強し、固めてから同社のクールタイトシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 この製品は遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。色にもよりますが黒色や濃い茶色の場合は50~40%、白色や明るいブルー等の場合は80%以上の反射率が有りますので通常の塗料と比較すると性能の良さが分ります。

屋根カバー工法の場合

 屋根をカバー工法で行う場合はアイジー工業株式会社のスーパーガルテクトをお勧めしました。
 カバー工法というのは既存の屋根はそのまま残し、その上に新しい屋根を取り付ける方法の事です。工期が短縮出来、既存の大部分も撤去処分しないため費用を大幅に抑えることが出来ます。
 スーパーガルテクトはガルバリウム鋼板に遮熱性ポリエステル樹脂塗装がされ、断熱材としてポリイソシアヌレートが使用されているので軽量で優れた遮熱性と断熱性、耐久性の有る金属屋根材です。
 ガルバリウム鋼板というのは、鉄の鋼板にアルミニウムと亜鉛の合金をメッキで蒸着させたものです。アルミニウムの耐食性と亜鉛の犠牲防食(ぎせいぼうしょく)作用、自己修復作用により従来の溶融亜鉛めっき鋼板に比べ腐食に強くなっています。

破風・鼻隠

 破風・鼻隠はセメント板で全てのジョイント部分に隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると内部に溜った湿気によるカビ等が発生する場合があります。
 この部分は目荒らしをしてからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
 目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
 表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
 逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程を丁寧にきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。

軒天

 雨水が隙間から侵入すると内部でカビが生えたり、湿気が抜け出ようとしてケイ酸カルシウム板の軒天から黒ずみが出てきます。 この部分は日本ペイント株式会社のケンエースGⅡでの塗りかえをお勧めしました。

外壁塗装

 外壁は2種類の窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)でした。
 外壁は2パターンが有り、1つは模様のきれいな意匠サイディング、もう一つは凹凸の有るサイディングでした。通常意匠サイディングにクリア塗装(透明な塗料を使用して元の風合いを損なわぬ様に塗装する方法)を行えるのは築12~13年位です。それを過ぎると経年劣化で退色や変色、汚れの染み付き等でクリア塗装が出来なくなる場合が有ります。これも何とかシーベースならクリヤー塗装も可能です。もう片方は単色のサイディングでした。
 意匠サイディング部分は同社のUVプロテクトクリヤーか、パーフェクトトップでの塗りかえをお勧めしました。
 UVプロテクトクリヤーは美しいデザインや色彩を生かすための透明な塗料で耐候性に優れ、紫外線吸収剤の働きで色あせも軽減します。また汚れに強く防藻・防かび性も備えた透湿性の塗料です。塗料が外壁に浸透するため褪せていた色彩も美しく蘇ります。
 単色部分はパーフェクトトップでの塗りかえをお勧めしました。意匠サイディング部分も塗り潰すならツートンカラーにも出来ます。
 もう一つのご提案は意匠サイディング部分を多重多色塗装(ダブルトーン塗装)にする事です。
 多重多色塗装というのは下塗が1層、中塗が2層、上塗が1層(状況により2層)で行います。塗装業者によってはダブルトーン塗装とかツートーン塗装等と言う人もいます。
 中塗と上塗の色を変える事により外壁の凹凸によって色彩が変わるため立体感が生まれます。単色の塗潰しですと、のっぺりとした感じになるので多重多色塗装の方が高級感が生まれます。ただ1層余分に塗るため1工程増えるのでその分費用が掛かます。また色彩の組み合わせを失敗すると野暮ったく、安っぽくなってしまいます。シーベースでは色選びについてもアドバイスさせて頂きますので美しく仕上げる事が出来ます。

コーキング

 外壁のジョイントコーキングは全滅していました。ほとんどの箇所でひび割れや剥離が起こっていました。
 窯業系のサイディング外壁にとってコーキングは生命線です。コーキングの劣化によってジョイントから雨水が侵入し、乾燥してまた雨水が侵入し・・・を繰り返しているうちに木口の部分は粉に戻ってしまったり脆くなってボロボロに崩れてしまったりするからです。また劣化が進んでしまうと新しくコーキングを打っても粉になった部分とは接着が甘くなるので剥離し易くなってしまいます。
 この部分はオート化学工業株式会社のオートンイクシードでの打替をお勧めしました。オートンイクシードは新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの耐久性、耐候性の「超寿命シーリング材」で評判の良い製品です。

バルコニー

 バルコニーは2箇所有り、FRP(繊維強化プラスチック)防水床は隅々までチェックしましたが基材に問題は有りませんでした。片方には庇が付けられていましたが、両方とも表面のトップコートは寿命が来ていました。
 この部分は東日本塗料株式会社のAUコートでの塗りかえをお勧めしました。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。

 樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
 これが酷くなると割れてしまう事が有り交換が必要になる事が有ります。樋の交換費用は意外と掛かるもので建坪約100㎡程度のお宅の場合足場代も含めると50万円前後掛かります。
 この部分は目荒らしを行いジョイントのシーリングをしてからクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。

問題

 困った事に縦樋の受金物が外壁の縦目地コーキングの中に刺さっていました。これは問題です。これではこの部分のコーキングの打替が出来なくなってしまうからです。もちろん縦樋を外せば打ち換えられるのですが排水部分は地面の中に有るため、撤去復旧には7万円前後余計に費用が発生してしまいます。
 またこの様な施工では金物の釘は外壁の裏側の僅か0.2mmのアルミ製ジョイントハットに刺さっているため、ジョイントハットを変形させたり縦樋自体が重力で下がってしまい横樋を下へ引っ張って落としてしまいます。ハウスメーカーは建てるだけでなく将来のメンテナンスの事も考えて受金物の取り付け位置を外壁の縦目地から4cm前後は離れた位置に取り付ける等きちんとした施工をして欲しいと感じました。

シャッターボックスと水切

 シャッターボックスや水切等の鉄部も表面の塗装膜の劣化が進んでいました。この部分も目荒らしをしてクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。

基礎の配管

 基礎から出ている塩化ビニール配管周りはシーリングがされていませんでした。シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
 この部分から雨水が侵入してしまうと内部はベタ基礎(建物の底面全体に鉄筋コンクリートを流し込んだ基礎の事)に雨水が溜ってしまい湿気が抜けにくくなってしまいます。ここはシーリングが必要な旨、お話ししました。

ネコちゃん

 今回もお客様と打合せをしていると毛並みの良いかわいいネコちゃんが「何をしているのかな~」と、言う様な顔でずっとこちらを見つめていました。怪しい者ではございません。

総括

 全体的に大分劣化が進んでいました。虫歯に例えると表面のエナメル質が傷んで、象牙質も浸食され神経まで侵されている状態でした。できるだけ早く補修した方が良いと思います。
 何社か見積を取られるとの事でした。安いという事に惑わされず、丈夫で長持ちし、美しく仕上げられる塗装業者をお選び頂きたいと思います。大変有難うございました。