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さいたま市大宮区のT様と屋根塗装や外壁塗装、付帯部分の補修と塗装、バルコニーFRP(繊維強化プラスチック)防水トップコートの契約を結びました。大変有難うございました。
契約の時には、とても可愛く人懐こいワンちゃんが何度も足元に来て愛嬌を振りまいていました。何となく幸せを感じました。
T様はだいぶ以前に株式会社 シーベースのチラシをご覧になり、会社名を覚えていらしてインターネットで検索されたそうです。
よく覚えていて下さったと嬉しくなりました。こうしてシーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーだと思います。塗装業界は結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いのです。プロペイント、塗装と防水の専門業者の中で、丁寧に補修し下地処理をしっかりと行って長持ちする施工をする優良な塗装業者を探すのは大変です。
ようやく秋めいていくらか過ごしやすくなって来ました。T様のお住まいは築26年で2回目の塗装になります。古くからの落ち着いた住宅地に立つ3階建てです。
とても素敵なデザインで色々な思い入れを強く感じました。とても大きくて、普通の建売住宅の1.8倍もの広さが有りました。
屋根は珍しく、なんと45度も有る急勾配のスレート瓦でした。前回の塗装膜は殆ど劣化しており撥水されていませんでした。
屋根の棟板金は釘浮きやジョイントの隙間が多数見られました。釘浮きは今にも抜け落ちそうな箇所が幾つも有り、これはまずいと感じました。
板金の釘浮を放置したり、ただ打込んだだけだと徐々にまた抜けて来ます。すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板(厚さ約12~14mmの杉板)に染み込み木を腐らせてしまいます。
ジョイントの隙間からも雨水は侵入します。この部分からの雨水はスレート瓦の下のアスファルトルーフに流れてしまいます。
アスファルトルーフィングというのは紙にアスファルトを染み込ませ雨もりを防ぐための物で防水紙や防水シート等とも言われています。屋根瓦の下に敷き屋根瓦が欠けたり強風で雨水が屋根瓦の隙間から下に落ちてもその下の野地板(屋根瓦を乗せるための板)に雨が染み込む事を防ぎます。
ただ一般的な住宅等で使用されている物は寿命が7~8年の物が多く、経年劣化でアスファルトが蒸発してしまい、ただの新聞紙の様になってしまいます。こうなると侵入した雨水はその下の野地板に染みて腐れの原因になります。
屋根の棟板金で釘浮きやジョイントの隙間を補修してからエスケー化研株式会社の遮熱塗料、クールタイトシリコンで塗りかえます。
クールタイトシリコンは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。色にもよりますが黒色や濃い茶色の場合は50~40%、白色や明るいブルー等の場合は80%以上の反射率が有りますので通常の塗料と比較すると性能の良さが分ります。
屋根の上裏はかなり傷んでおり腐れが見られました。この部分は表面をケレンして不良部分を削り落としてから破風・鼻隠と一緒に同社のクリーンマイルドシリコンで塗装します。
ケレンというのはサンドペーパーやナイロンタワシで傷んだ素材や塗装膜、錆びや汚れ等を落としたり、微細な傷を付ける事です。表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
破風・鼻隠はセメント板で全てのジョイント部分にやや隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると内部に溜った湿気によるカビ等が発生する場合があります。
破風・鼻隠の塗装面は荒れており、塗装膜の剥離が見られました。十分にケレンを行って隙間を補修してからクリーンマイルドシリコンで塗りかえます。
軒天はケイ酸カルシウム板製で、比較的良好でしたが、塗装膜は劣化が進んでいるため日本ペイント株式会社のケンエースGⅡで塗りかえます。
外壁はモルタル製でリシン仕上げになっていました。モルタル外壁というのはセメントや砂(骨材)、水等を混ぜて作るモルタルを使って仕上げた外壁の事です。下地材にラス網やラス板、ラスカットを張って、そこにモルタルを下塗、中塗、上塗と、引っ掛ける様に厚みを持たせて作ります。
リシン仕上げというのは、セメントや砂に樹脂などを混ぜた仕上げ材に、細かい骨材(砕石や砂など)を混ぜて塗装する仕上げ方法です。砂壁のようなザラザラとした落ち着いた風合いが特徴です。
外壁は全体的に撥水機能が低下して汚れやチョーキングが発生していました。チョーキングと言うのは、別名「白亜化」とも呼ばれ、塗装表面が紫外線や熱、雨、風などの外的要因によって劣化することにより、塗料の色成分である顔料がチョーク(白墨)のように粉状になる現象です。これは、塗膜が劣化して機能を失い、塗装表面が雨水を撥水しにくくなってしまうため雨水の吸収と乾燥を繰り返すと非常に脆くなり割れや変形を起こします。塗装を再施行しても、表面の粉状の部分と一緒に塗膜が剥がれやすくなってしまうため塗装の持ちが悪くなって効果が持続せず、再度塗り直しが必要になる事があります。シーベースでこの様な状態に塗装する場合は高圧洗浄で十分に劣化塗装膜を落とし下塗材をたっぷりと吸わせて下地を補強してから本塗装を行うので長持ちします。
外壁全面にひび割れが見られました。モルタル外壁のひび割れは侮れません。細いひび割れでも毛細管現象で雨水が内部に染み込みます。
モルタルは中の鉄製のラス網に引っ掛けて塗られています。築7~8年位はモルタルが弱アルカリ性なのですが、経年劣化とともに徐々に中性化して行きます。そうするとひび割れから侵入した雨水が内部のラス網を錆びさせて膨張したり切れたりして強度が落ちてしまい、外壁の重みに耐えられずに最悪外壁が崩れたり落ちたりしてしまいます。特に亀の甲の様な形状のひび割れが有るとそのリスクは高まります。過去に何度もその様な建物を見ています。ですからひび割れを見つけた時は出来る限り早くひび割れを埋める等して補修が必要です。
ひび割れはシーラーを染み込ませたりシーリング材で埋めます。シーラーは傷んだ箇所に良く染み込んで補強をし、微細なひび割れも塞ぎます。また仕上塗料との接着を良くする働きが有ります。
そして、日本ペイント株式会社のパーフェクトトップで塗りかえます。パーフェクトトップはラジカル制御技術により塗膜の劣化を抑制する高耐候性の塗料で紫外線や雨風等に強くシリコン系の塗料よりも長持ちします。
美観的にも程よい艶感が有り汚れにくく、色あせしにくい塗料です。株式会社 シーベースでは約6割程度の割合でこの塗料を使用しています。お客様の印象もとても良い製品です。
外壁の下部には外壁色と合わせた何色かの飾りタイルが張られており、その上にはモールが有りました。上下で水切に挟まれており、塗装膜はかなりの劣化が見られました。飾りタイルやタイル目地は高圧洗浄のみで良いと思います。
モールと上下の水切はケレンしてからクリーンマイルドシリコンで塗りかえます。
バルコニーのFRP(繊維強化プラスチック)防水床は隅々までチェックしましたが基材に問題は有りませんでした。表面のトップコートは劣化が進んでいるため塗りかえが必要です。
この部分は東日本塗料株式会社のAUコートで塗りかえます。AUコートは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
樋も箇所により変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものもやや脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
これが酷くなると割れてしまう事が有り交換が必要になる事が有ります。樋の交換費用は意外と掛かるもので、こちらのお住まいは大きいため場合足場代も含めると60万円前後掛かります。
樋はケレンしてからジョイントの隙間を補修して、クリーンマイルドシリコンで塗りかえます。
シャッターボックスは変わった形状で上部はアルミ、下部はスチールでした。水切等の鉄部も表面の塗装膜の劣化が進んでいましたので塗りかえが必要です。この部分もケレンしてクリーンマイルドシリコンで塗りかえます。
屋根や外壁の色はメーカーの色見本帳をお渡ししました。今月中にお決め頂ければ十分に間に合います。
屋根の釘浮きの多さや屋根上裏の荒れ、外壁のひび割れ等々、全体的に劣化が進んでいました。特に外壁のひび割れは冬を越すとひび割れに染み込んだ雨水が凍って膨張するため急速にひび割れが大きくなってしまいます。
今回、この様な不具合部分は徹底的にきちんと補修した上で塗りかえを行います。とても素敵なお住まいですから、これからも長くお住まいになれるように心を配って施工します。
着工は11月中旬から下旬になります。日程が決まり次第お知らせします。この度は株式会社 シーベースにご用命くださいまして大変有難うございました。どうぞ宜しくお願いします。