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さいたま市見沼区のK様邸で屋根のカバー工法による補修が完了したため外壁塗装やシーリング、付帯部分の補修と塗装、バルコニーFRP(繊維強化プラスチック)防水トップコートの工程がスタートしました。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
屋根はスレート瓦でしたがアイジー工業株式会社のスーパーガルテクト/シェイドブラックを使用したカバー工法での施工が完了し、外していたソーラーパネルも復旧しました。これで屋根の工程は全て完了です。
外壁塗装の工程で最初の作業は高圧洗浄です。昨日行い完了しました。高圧洗浄は清掃とは違い、きれいにすると言うよりもコケや痛んだ基材や塗膜を高圧の水で剥し落とす事が目的です。
長年溜まったコケや不良部分を剥離しないと、新しく塗装しても傷んだ部分と一緒に剥がれ易くなるからです。
樋の中や駐車場も行いました。洗浄できれいに出来なかった所の内、塗装に影響が有る箇所は後でブラシ等を使って汚れを落とします。
破風・鼻隠はセメント板で一部ジョイント部分に隙間が見られました。ここから雨水が侵入すると内部に溜った湿気によるカビ等が発生する場合があります。板が反れてしまっている箇所もあり、こういった箇所は内部に湿気が溜まっている可能性があります。
本来外壁塗装はそれぞれの部位に適した塗料を使用しますが、前回施工した業者は外壁と同塗料でこちらを塗ってしまっていました。養生などの手間は省けますが、それぞれの部位に最適な塗料を使用しないと、お住まい全体の耐久性は低下してしまいますので、きちんと考えて施工をしてもらいたいと思いました。
こちらは目荒らしを行ってから同社のクリーンマイルドシリコン/黒色で塗りかえます。
現状で汚れなどは見られませんでしたが、破風・鼻隠しと同様に外壁と同塗料で塗装されていました。
この部分は日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえます。
こちらは外壁の縦横の目地とサッシ回り共に打増を行います。現状ではまだ弾力があり、破れや崩れは見られませんでしたが、地震等が発生した場合に備えて多少の歪みが発生しても新しいコーキングが雨水の侵入を防いでくれます。
シーリングはオート化学工業株式会社のオートンイクシードで外壁色に合わせて行います。
オートンイクシードは特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの約20年の耐久性、耐候性の「超寿命シーリング材」で評判の良い製品です。
外壁はALCでかなりチョーキングが進んでいました。 ALCというのはセメントペーストに発泡剤を加えて内部を金属網で補強した軽量気泡コンクリートの事です。
軽石に似た形状をしているため塗装がしっかりしている時は問題無いのですが、塗装膜が弱ってしまうと雨水が侵入してしまいます。
またラス網という内部の金属網も錆びて強度を保てなくなるので定期的なメンテナンスは必要不可欠です。一部ひび割れも見られました。
チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいます。ジョイント部分は、あちこちひび割れや塗装膜の剥がれも見られました。
前回施工した業者は塗り残しが目立つ事や、本来塗装できないプラスチック製のエアコンホースカバーやアルミ製の換気フード等も外壁塗料で塗ってしまっている状態で、いい加減な施工が目立ちました。
外壁塗装は日本ペイント株式会社のペリアートUV/pa-42 パウダーピンクで行います。現状に近い色合いです。
ペリアートUVは多彩色模様塗料です。多彩色模様塗装というのは単一色ではなく、塗料の中に様々な大きさのカラーチップが混ぜ込まれて複合色にしている塗料です。仕上がると天然石材のような雰囲気が感じられる独特な質感やデザイン性、高級感が有るものです。
ペリアートUV/pa-42は他のタイプと比べるとカラーチップの量が少なく、どちらかというと単色に近い風合いになります。折角高い塗料を使用するのでもう少しカラーチップの量が多い方が高級感が出る旨ご説明しましたがお客様のご希望でこれになりました。控えめで上品な仕上がりになると思います。
ペリアートUVは高耐候性、高意匠性、防カビ・防藻性、微弾性機能、低汚染性等に優れています。現在16タイプの物が有り色彩やカラーチップの配合比率、大きさ等が様々です。
ペリアートUVの吹付塗装は専用のスプレーガンを使用して行います。吹付塗装はかなり塗料が飛散しますので、必要以外の所に塗料が付着しない様にビニールで周囲を覆い細心の注意を払いながら行う必要があります。また塗料の中に大きさや色の違うカラーチップが入っているため均一に吹き付けなければならないので高度な施工の技術が必要です。施工は大変でその分価格もやや高くなりますが、仕上がると美しさだけでなく高級感がぐっと増します。
バルコニーはFRP(繊維強化プラスチック)防水床は隅々までチェックしましたが基材に問題は有りませんでした。片方には庇が付けられていましたが、両方とも表面のトップコートは寿命が来ていました。また、棚が置いてありましたが、ベランダやバルコニーに重いものを置いてしまうと、その分トップコートの劣化が早くなる恐れがある為、注意が必要です。
この部分は東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーで塗りかえます。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
樋も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
これが酷くなると割れてしまう事が有り交換が必要になる事が有ります。樋の交換費用は意外と掛かるもので建坪約100㎡程度のお宅の場合足場代も含めると50万円前後掛かります。
こちらは目荒らしをし、ジョイント部分の隙間を補修してからクリーンマイルドシリコン/黒色で塗り替えます。
こちらの鉄部も表面の塗装膜の劣化が見られました。前回の塗装工事では、塗装した箇所と、していない箇所が混在していました。塗り忘れてしまったのか?、おかしな塗り方がされていました。
こちらもケレンしてからクリーンマイルドシリコン/黒色で塗り替えます。
基礎から出ているホースは取合部分のシーリングがされていませんでした。 この部分から雨水が侵入してしまうと内部はベタ基礎(建物の底面全体に鉄筋コンクリートを流し込んだ基礎の事)に雨水が溜ってしまい湿気が抜けにくくなってしまいます。
こちらの取り合い部分はシーリングでしっかり補修を行います。
このところ急に気温が低くなって来ました。シーリング等で乾燥しにくい材料を使うため乾き具合を慎重に見極めながら作業を進めたいと思います。
引き続き宜しくお願いします。