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さいたま市北区のT様へ屋根塗装と外壁塗装、付帯部分の塗装の見積説明に伺いました。ご夫婦お揃いで熱心に耳を傾けて頂き大変有難うございました。
T様はお隣のご親戚でK様からのご紹介です。K様は2002年から2024年までの間に屋根塗装や外壁塗装、バルコニーの防水工事など、既に3回の施工をさせて頂いています。毎回新築の様に仕上がってご満足頂いています。K様大変有難うございました。
この様にして株式会社シーベースに巡り合えたという点で本当に幸運だと思います。塗装業界には残念ながら杜撰な対応をする業者も多く、いい加減な工事でトラブルを引き起こすケースも少なくありません。そのため、誠実で技術力の高い塗装会社を見つけるのはとても難しいのが実情です。
実際に現場で行われている工事をご覧頂ければ、どのような職人がどんな姿勢で作業しているのか、また施工前と施工後でどれほど見違える仕上がりになるのかを確認できますので、大変参考になりご安心頂けるはずです。
環境の良い静かな住宅地の中に立つ築15年になる素敵なデザインで平屋のお住まいでした。ハウスメーカーはSM社製でした。
2階建ての多い地域ですが、敷地が広く、室内はゆったりとした平屋建てで階段が無い分、室内のスペースはかなりゆったりとしていました。平屋建ては住みやすいので羨ましいかぎりです。
玄関前のタイル面もゆったりとした広さが有り、欠けやひび割れ等は有りませんでした。
屋根は4寸勾配の寄棟造りでスレート瓦が葺かれており、隅棟は差し棟になっていました。小さなトップライトが1つ有りました。
4寸勾配というのは、水平に10寸進むごとに高さが4寸上がる勾配という意味です。
寄棟造りは屋根形式のひとつで、数方向に傾斜する屋根面を持つ形状の事です。差し棟というのはスレート屋根などの屋根の斜めの接合部分に、貫板等の下地材を設けずに、板金を屋根材一枚一枚に個別に差し込むようにして施工する棟の仕上げ方法でスマートな外観が特徴です。
棟板金には、釘の浮きや継ぎ目部分の隙間など、いくつかの不具合が確認されました。棟金の釘浮きをそのまま放置したり、単に再度打ち込んだだけでは、時間の経過とともに再び抜けてしまうことが多くあります。その結果、雨水が釘を伝って板金内部に入り込み、下地として使用されている貫板(厚さ約12mmの杉板)へ染み込み、木材を腐食させてしまう恐れがあります。
また、棟板金のジョイント部分についても隙間や、やや浮き上がりが発生している箇所が見受けられました。
これらの不良箇所は、強風を受けた際に棟板金そのものがめくれたり、最悪の場合は飛散してしまう危険性があるため、非常に注意が必要です。
ジョイント部分にできた隙間からも雨水が侵入します。入り込んだ雨水は、スレート瓦の下に敷かれているアスファルトルーフィングへと流れ込んでしまいます。
アスファルトルーフィングとは、紙にアスファルトを浸透させて作られた防水材のことで、防水紙や防水シートとも呼ばれています。屋根瓦の下に敷くことで、瓦の欠けや強風による雨水の吹き込みによって瓦の隙間から水が侵入した場合でも、その下にある野地板(屋根瓦を支えるための下地板)への浸水を防ぐ役割を果たします。
しかし、一般的な住宅で使用されているアスファルトルーフィングは寿命が7~8年程度のものが多く、経年劣化によってアスファルト成分が熱で徐々に蒸発してしまいます。劣化が進むと、防水性を失い、まるで乾いた紙のような状態になってしまいます。このような状態になると、侵入した雨水は容易に野地板へ染み込み、木材の腐食を引き起こす原因となってしまいます。
棟金の釘浮やジョイント部分の隙間や浮きを補修してからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
クールタイトシリコンは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高く、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。
色にもよりますが黒色や濃い茶色の場合は50~40%、白色や明るいブルー等の場合は80%以上の反射率が有りますので通常の塗料と比較すると性能の良さが分ります
今回は屋根の勾配が4寸有って雨水が重力で流れやすい事と、スレート瓦の重なり代の隙間が有るためタスペーサーはご不要です。シーベースの屋根塗装はローラーを絞ってから塗るため、重なり代の隙間が埋まる事がないからです。多少はくっつく箇所も有りますが雨水や湿気が排出されるには十分です。
トップライトは雨もりの原因になり易い箇所です。パッキンも15年も経つと経年劣化で弾力を失って雨水が侵入し易くなるので注意が必要です。この部分はガラスとフレームの取合でシーリングを行います。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
雪止めは大分変色が見られました。これは屋根と一緒に塗装します。
鼻隠はガルバリウム鋼板で横樋との取合が数㎜しか有りませんでした。このためとても塗装しにくい構造になっていました。
ガルバリウム鋼板というのは、鉄の鋼板にアルミニウムと亜鉛の合金をメッキで蒸着させたものです。アルミニウムの耐食性と亜鉛の犠牲防食(ぎせいぼうしょく)作用、自己修復作用により従来の溶融亜鉛めっき鋼板に比べ腐食に強くなっています。
この部分は横樋との隙間が殆ど無いので塗装しにくい箇所ですが目荒らしの後、エスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程を丁寧にきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。
軒天はエンボス加工がされたケイ酸カルシウム板製で、特に現状で問題は見られませんでした。廻縁は通気換気見切りの付いたガルバリウム鋼板製でした。
廻縁の目荒らしを行い特殊なプライマー(接着剤)を塗ってからケイ酸カルシウム板と一緒に日本ペイント株式会社のケンエースGⅡでの塗りかえをお勧めしました。
外壁はモルタルにツートンカラーで仕上げていますが、どちらもシーサンドコートが塗られていました。
モルタルというのは、セメント・砂(細骨材)・水を混ぜ合わせて作られる建築材料のことで、
壁や床の仕上げ、レンガやブロックを積むときの接着、外壁の下地など、建築のさまざまな場面で使用されています。
シーサンドコートというのは、住友林業がエスケー化研と共同開発した塗料です。これは貝殻やサンゴ、マイカ(雲母(うんも)の事で薄く層状に剥がれる性質を持つ鉱物)などの天然素材を配合した独自の吹き付け外壁材です。太陽光でキラキラ輝く高級感のある質感と、継ぎ目のない美しい仕上がりが特徴です。
比較的高耐久性・高防水性・遮熱性も兼ね備え、住友林業の注文住宅で多く採用されていますが、専門技術が必要なため施工コストは高めです。
モルタルはひび割れし易い素材なのですが、T様邸はやや汚れている程度で良好な状態でした。
やや 変色は有りますがチョーキングも発生していませんでした。チョーキングと言うのは、別名「白亜化」とも呼ばれ、塗装表面が紫外線や熱、雨、風などの外的要因によって劣化することにより、塗料の色成分である顔料がチョーク(白墨)のように粉状になる現象です。
これは、塗膜が劣化して機能を失い、塗装表面が雨水を撥水しにくくなってしまうため雨水の吸収と乾燥を繰り返すと非常に脆くなり割れや変形を起こします。
塗装を再施行しても、表面の粉状の部分と一緒に塗膜が剥がれやすくなってしまうため塗装の持ちが悪くなって効果が持続せず、再度塗り直しが必要になる事があります。
シーベースでこの様な状態に塗装する場合は高圧洗浄で十分に劣化塗装膜を落とし下塗材をたっぷりと吸わせて下地を補強してから本塗装を行うので長持ちします。
シーサンドコートは接着の難しい塗装膜であるため、外壁塗装の方法は以下の2つをご提案しました。
エスケー化研株式会社の水性ハイブリッドシーラークリヤーで下塗の後、水性セラミシリコン艶消しで中塗と上塗を行う方法。この場合、全体を単色にしても現状と同じツートンカラーにしても良いと思います。
セラミシリコンは非常に丈夫な塗料で12年から15年程度の耐久性です。シロキサン結合を持つ架橋塗膜になります。
シロキサン結合(-Si-O-Si-)というのは、シリコーン(シリコーンゴム、オイルなど)の主骨格を形成するケイ素(Si)と酸素(O)が交互に結合した構造のことで、ガラスと同じ無機的な性質を持ち、結合エネルギーが非常に大きいため、極めて高い耐熱性、耐候性、化学的安定性(熱や紫外線で劣化しにくい)を持ちます。この強固な骨格に有機基が結合することで、無機物と有機物の両方の特性を併せ持つ高機能材料(シリコーン)が生まれます。
架橋塗膜(かきょうとまく)というのは、塗料が乾燥・硬化する過程で、塗料を構成する樹脂の分子同士が化学的に「橋を架けるように連結」され、三次元網目構造を形成した強靭な塗膜のことです。この「架橋」により、単なる硬さだけでなく、耐水性・耐薬品性・耐候性・密着性などの物理的・化学的性質が飛躍的に向上し、塗膜が丈夫で長持ちするようになります。
と、いう事で紫外線、湿気などのポリマー劣化要因に対し、優れた抵抗性を示し、建物を長期に亘り保護します。
また、低汚染性や防かび・防藻性にも優れています。艶消しをお勧めする理由はより透湿性を高めて接着力が良くなるからです。
日本ペイント株式会社の多彩色模様塗料の水性ペリアートUVで塗装する方法。多彩色模様塗装というのは単一色ではなく、塗料の中に様々な大きさのカラーチップが混ぜ込まれて複合色にしている塗料です。
仕上がると天然石材のような雰囲気が感じられる独特な質感やデザイン性、高級感が有るものです。
ペリアートUVは高耐候性、高意匠性、防カビ・防藻性、微弾性機能、低汚染性等に優れています。現在16タイプの物が有り色彩やカラーチップの配合比率、大きさ等が様々です。
下塗に日本ペイント株式会社の水性カチオンシーラーを塗装後、水性ペリアートUV専用の下塗材を塗り、水性ペリアートUVを吹き付け塗装する方法。この場合もアクセント部分のみセラミシリコンにする事も可能ですし、全体をペリアートUVで塗装してもどちらでも良いと思います。
外壁の窓周りのシーリングも良好で、ひび割れや穴開き、剥離等は見られませんでした。今後の地震に備えて念のため計上しました。
この場合オート化学工業株式会社のオートンイクシードでのシーリングをお勧めしました。オートンイクシードは特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することにより国内でもトップクラスの約20年の耐久性、耐候性の「超寿命シーリング材」で評判の良い製品です。ただ欠点は柔らかいため硬化するのに日数が掛かる事です。今の気候では3日から5日程度は掛かります。
樋はやや変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が流れ出た痕が見られました。一般的な横樋よりもやや大きいため変形も僅かですが見られました。
材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
これが酷くなると割れてしまう事が有り交換が必要になる事が有ります。樋の交換費用は意外と掛かるもので建坪約100㎡程度のお宅の場合足場代も含めると50万円前後掛かります。
この部分はジョイント部分の隙間を補修して目荒らしの後、クリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
こちらの鉄部も表面はやや塗装膜の変色が見られましたが錆等は発生していませんでした。この部分も目荒らしの後、クリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
庭側にウッドデッキは普通の塗料で塗られていました。表面は大分荒れが見られました。ウッドデッキの塗装は比較的素人でも行えるため、今回はオプションとして設定しました。この場合、本来は木部の塗装木が腐りにくくなる浸透性塗料の防腐効果のある大阪ガスケミカル株式会社の防腐塗料、キシラデコールで塗りかえたい所です。そうすると塗り潰しと異なり木目の雰囲気もそのまま生かされるので、とてもきれいなのです。
が、現状が普通の塗料で塗られているため、この塗料を弾いてしまうのでクリーンマイルドシリコンでの塗りかえをお勧めしました。
熱心にお聞き下さり大変有難うございました。今回お話しした内容を慎重にご検討頂きたいとおもいます。