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さいたま市大宮区、Eマンションの屋上防水工事が終了し、昨日オーナー様にご確認頂き完工しました。
4月初旬に着工して高圧洗浄からスタートし、トップコートの完了が5月下旬になりました。途中強風や雨等天候不良が何日か有りましたが、その様な作業が出来ない日にちも折り込み済みでしたので予定していた工期50日で完工出来ました。
オーナーのH様は昨年の5月に隣接するアパートの屋根塗装や外壁塗装等、大規模修繕をさせて頂いたリピーターのお客様です。今回もご発注頂き大変有難うございました。また隣接する2棟の貯水槽の見積ご依頼も頂き大変有難うございました。
築26年の5階建て、鉄筋コンクリートの大きなマンションです。外壁はタイル張りで高級感の有る造りです。
2つの塔屋はゴムシート防水、3つの屋上はアスファルトシート防水になっていました。その他、階段塔の屋根がモルタル防水、塔屋内へ続く階段は防水処理がされていませんでした。
施工前は部分的にシートやウレタンの亀裂や破れ、ジョイントの不具合が見られました。全体的には雨水の侵入は僅かでしたが、そろそろ限界に来ていましたので丁度良いタイミングだったと思います。
夫々の箇所のシートやウレタンの亀裂や破れ、ジョイントの不具合を補修しました。広い面積の箇所はカバー工法で通気緩衝工法によるウレタン塗膜防水を行いました。狭い庇は通気緩衝シートの無いウレタン塗膜防水を行いました。使用したのはAGCポリマー建材株式会社のサラセーヌです。品質が良く長持ちするので評判の良い製品です。
カバー工法というのは既存の防水層はそのまま残し、その上から新しい防水層を形成する方法の事です。工期が短縮出来て既存の大部分も撤去処分しないため費用を大幅に抑えることが出来ます。
欠点としては既存部分が残るため平場の表面が多少凹凸になります。雨も凹部に溜り易くなります。耐久性としては既存防水層の劣化状態にもよりますが、今回の場合は全面撤去して新設する方法と比べると96%程度の強度になるので然程違いは有りません。
通気緩衝工法と言うのは、防水層の下で内部が熱で湿気が気化するとウレタン防水塗膜が膨れて傷むため、下地面とウレタン防水層の間を絶縁するために通気緩衝シートを入れ、気化した水蒸気を逃がす脱気塔を取り付ける工法の事です。
ウレタン塗膜防水と言うのはゴムの様なウレタンで継ぎ目の無いシームレスな防水層を形成する方法の事です。施工する際は液体ですが、1日から2日で硬化してゴムの様な弾力のある層に変化します。
利点はシート防水と比べると雨もりが発生した際等にどこが剥がれているのか、穴が空いているのか等見つけやすい点です。シート防水の補修を何度頼んで雨漏りが止まらなかったという話をよく聞きますが、これは不具合箇所を適切に見つけられなかったため補修に見落としが発生するからです。
また、地震等で多少の歪みが起こっても割れたり剥がれたりする心配が無いのでこちらのマンションには最適です。
施工前のモルタル防水部分はひび割れが多数発生していました。塔屋の階段は僅かなひび割れでしたが側面からエフロレッセンス(白華現象。コンクリートやモルタル中のカルシウムが、浸入した雨水に溶けて目地やクラックから溶け出し、炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムになった物の事)が見られました。これ等の部分もウレタン塗膜防水を行いました。
2つの屋上には携帯電話用の大きなアンテナや重い配線が設置されていたため通信会社と相談し3月下旬に撤去と移動をして頂き、シーベースでそれを吊り上げて固定したのでスムースに施工する事が出来ました。
パラペットの天場や庇部分は足場を掛けずに施工したためかなり慎重に安全への配慮をしながら作業を進めました。トップコートが仕上がるとライトグレーに輝いてとてもきれいな仕上がりになりました。
その他、傷んで錆が出ていた屋上出入口やエレベーター機械室のドアはケレンして錆を落とし、穴の空いていた箇所はパテとコーキングで塞ぎ、錆止め塗装を行いエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンで塗装しました。
難しい工事でしたが、今回も無事に完工出来てホッとしました。居住者の皆様には色々とご不便をお掛けしました。ご協力、大変有難うございました。