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さいたま市西区のS様より屋根塗装と外壁塗装、コーキング打替、ベランダ防水の見積ご依頼を頂きました。大変有難うございました。
S様は2019年6月に屋根塗装や外壁塗装、コーキング打替、ベランダ防水の工事をさせて頂いたさいたま市北区のN様のご紹介です。N様、大変有難うございました。
早速現状調査に伺いました。落ち着いた緑豊かな住宅地に建つ築20年のお住まいで初めての塗装です。
屋根はスレート瓦で棟板金の釘は何本か浮いていました。棟板金の釘浮を放置すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。棟と降り棟の板金の取合部分のコーキングも殆ど働いておらず、雨水の侵入が懸念されます。
スレート瓦は塗膜が劣化し撥水力も落ち変色していました。おそらく瓦のひび割れも発生している筈です。
破風・鼻隠のジョイントは殆ど隙間が有り雨水が侵入しているため表面の被膜が捲れていたり、軒天は黒ずみ、かなり脆くなっている箇所が有りました。
外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)でかなりチョーキングや反りが発生していました。
チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。
こうなると雨水を吸って乾いてを繰り返すうちに元の粉に戻って行きます。脆くなって崩れてしまう事も有りますので注意が必要です。
コーキングは充填量が少なく、ひび割れや穴開き、剥離が有り、ほぼ全滅状態でした。こうなると大分内部へ雨水の侵入が有ると考えないといけません。雨水が侵入する事で当然内部の木部は腐り易くなりますし、窯業系のサイディングですから雨水を吸って乾いてを繰り返すうちに元の粉に戻ってしまいます。つまりその部分は崩れてしまうので注意が必要です。
樋はジョイントに隙間が発生して雨水が漏れて汚れが目立ちました。材質も劣化が進んでいました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
ベランダはFRP(繊維強化プラスチック)防水でした。基材には問題が有りませんでしたが下地の板のジョイント部分を研磨せずにFRPを作ってしまったため段差が発生し、トップコートが剥離していました。トップコートも寿命が来ていました。
全体的にかなり劣化が進んでいました。虫歯で言えば表面のエナメル質が傷んで、象牙質も浸食され神経まで侵されている状態でした。虫歯と同じで痛んでから治療するより、痛まない様にメンテナンスをする方がお住まいの寿命はぐんと長くなります。
出来れば10年位前には全体のメンテナンスをしておいた方が良かったかと思いますが、今更言っても仕方が有りません。一刻も早く補修された方が良いと思います。
見積作成に10日間程頂きたいと思います。宜しくお願いします。