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さいたま市北区のA様へ外壁塗装とコーキング打替の見積説明に伺いました。熱心にお耳を傾けて頂き大変有難うございました。住宅地の中に立つ築24年のお住まいで初めての塗装工事です。
屋根は焼き瓦で、面土や漆喰に多少痛みは有るものの瓦のズレや釘浮き等は無いため今回は何もする必要は有りません。
破風や鼻隠はセメント板で殆どの箇所に隙間が発生し雨水が侵入していました。そのためケイ酸カルシウム板製の軒天には内部からカビ等が抜け出ようとしてできた黒ずみが無数に有りました。また、湿気が抜け出ようとした際にその圧力で押されて剥離した塗装膜も多数有りました。
これ等の隙間を補修して破風・鼻隠は目荒らしをして不良塗膜を除去してからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンで、軒天は日本ペイント株式会社のケンエースGⅡでの塗り替えをお勧めしました。
外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)でした。
何か所か浮きや反りが発生していました。浮きはビス留めが可能ですが、反りは直せません。原因は湿気です。外壁表面はプリントされていますが側面や裏面は無塗装です。そのため湿気で内側が膨張するために反ってしまうのです。これは外壁を張り替えない限り元には戻りません。
またチョーキングもかなり進んでいました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。こうなると雨水を吸って乾いてを繰り返すうちに元の粉に戻って行きます。脆くなっている部分も見受けられました。
外壁は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップでの塗り替えをお勧めしました。普通に単色で塗り潰す場合と多重多色塗装の2通りをご提案しました。
多重多色塗装というのは下塗が1層、中塗が2層、上塗が1層(状況により2層)で行います。中塗と上塗の色を変える事により外壁の凹凸によって色彩が変わるため立体感が生まれます。色彩の組み合わせを間違えると野暮ったく、安っぽくなってしまいます。そうならぬ様に色選びには細心の注意が必要です。
コーキングは固く痩せており、ひび割れや剥離で全滅でした。ここからもかなり雨水は侵入しています。これ等はオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントでの打替をお勧めしました。
バルコニーは珍しく板金製のプロムナールーフでした。表面のウレタン塗膜は破れていました。この部分の塗装は必要有りません。ましてウレタンの様に柔らかく厚みのある塗装をしてしまうと歩行時にジョイントの凹凸部分から破けてしまいます。現状雨もり等は無いので今回は塗装の必要は有りません。
全体的に痛みが激しく、今更言っても仕方がありませんが出来れば10年以上前にメンテナンスをしておいた方が良かったと思います。
虫歯で言えば表面のエナメル質が傷んで、象牙質から神経まで進んでいる状態です。下手をすると抜かなければならない位の状態です。虫歯と同じで痛んでから治療するより、痛まない様にメンテナンスをする方が建物の寿命はぐんと長くなります。
出来れば一刻も早い補修をお勧めします。また他社の見積も拝見しましたがかなり大雑把でした。見積が大雑把な塗装業者は施工も雑です。
安いという事にとらわれずにきちんとした補修の出来る優良な塗装業者で施工する事をお勧めします。 もちろんシーベースなら間違い有りません。