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さいたま市西区のW様へ屋根塗装と外壁塗装、バルコニー防水の見積説明に伺いました。ご夫婦お揃いで熱心にお聞き下さり大変有難うございました。
郊外に建つとても素敵なデザインで、築約13年のお住まいは初めての塗装です。度々塗装の訪問販売業者が来るとの事でした。
屋根は勾配が緩いガルバリウム鋼板製でした。ガルバリウム鋼板と言うのはアルミニウムと亜鉛、ケイ素を混合した物を鉄板にメッキした物です。
そのため僅かな傷でもメッキが剥げた箇所や鋼板の切り口は錆びが発生しやすく、放置するとどんどん錆びて穴が開いてしまいます。ですから定期的なメンテナンスは欠かせません。W様の屋根も若干錆が出ていました。また釘浮きも僅かですが見られました。
屋根全体を塗り替える必要は有りません。錆びの出ている箇所はケレンして錆を落とし、錆止め塗装後に溶剤系シリコン塗料でダッチアップすれば十分です。
屋根の上裏はベニヤ板ですが、塗装が剥がれて雨水を吸っているため部分的には僅かに腐り始めている箇所が有りました。
ここはケレンして腐ってしまった箇所を削り落とし木部用シーラーを塗ってからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンで塗装をお勧めしました。
破風・鼻隠はセメント板で隙間が発生し雨水の侵入痕が見られ、軒天には侵入した雨による黒ずみが見られました。
隙間をシーリング(雨水が侵入し易い箇所をコーキングで隙間を塞ぐこと)してからクリーンマイルドシリコンでの塗装をお勧めしました。
外壁はALCで、塗膜がチョーキングを起こしていました。チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいます。また、雨水が染み込む事で中のラス網を錆びさせるので外壁は大きなダメージを受ける事になります。
外壁のジョイント部分にはひび割れが見られましたが、これはコーキングの上から塗装しているためなので、隙間は空いていない様でした。
ただ使用しているコーキングがブリードを起こしていました。ブリードというのは、コーキング材の中に柔軟性与えるための添加物質が入っているのですが、それが雨水等によって溶解し表面ににじみ出る現象の事です。べたついて汚れが付着しやすくなりますので見た目も汚くなりますから、ハウスメーカーはノンブリード(ブリードを起こさない)タイプを使用すべきでした。
コーキングを打つかどうかは微妙な状況でした。出来れば打っておいた方が安心です。この場合はオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントを使用する様にお勧めしました。外壁塗装は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップをお勧めしました。
ベランダFRP(繊維強化プラスチック)防水はトップコートがかなり痛んでガラス繊維が露出していました。デッキブラシで清掃したとの事ですが、トップコートは薄いので柔らかいブラシを使わないと痛めてしまいます。またガラス繊維が飛び出してしまうと補修に余計な費用が掛かってしまうので注意が必要です。
防水部分は東日本塗料株式会社のAUコートでの塗り替えをお勧めしました。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
何社か見積を取られるとの事でした。安いという事に惑わされずに丁寧な施工をする優良な塗装業者をお選び頂きたいと思います。