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さいたま市南区、F様邸の屋根塗装と外壁塗装、付帯部分の塗装やコーキング打替、ベランダ防水トップコートが完工しました。今年最後の完工で、現場作業はこれで終了しました。
F様邸は住宅地に立つ築17年の2階建てで初めての塗装工事です。F様は3年前に屋根塗装や外壁塗装を施工させて頂いたT様からのご紹介でご親戚です。
屋根はスレート製で棟板金の釘が浮いていました。棟板金の釘浮を放置すると雨水が釘を伝って板金内部の貫板に染み込み木を腐らせてしまいます。また強風に煽られて棟板金そのものが捲れたり飛ばされたりする事が有るので注意が必要です。
スレート瓦は塗膜が劣化し撥水力が落ちているためコケが多く、ひび割れの発生も有りました。
釘浮きやジョイントの隙間、スレート瓦のひび割れ補修を行い、板金はケレンして錆を落とし錆止め塗装をしてからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコン/CLR-142 フォレストグリーンで塗りかえました。
これは遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、建物内部に熱さが溜まりにくい性質が有ります。僅かですが室温を下げてくれます。屋根材の太陽光と熱によるダメージも軽減されます。またこの塗料はさいたま市より補助金が支給されるため僅かですがお客様のご負担も減る製品です。くすんでいた屋根がきれいに変身しました。
破風・鼻隠のジョイントには僅かに隙間が有り若干雨水が侵入しており、汚れも目立ちました。軒天はエンボス加工されているため目立ちませんが僅かに雨染みが有りました。
破風・鼻隠と屋根の上裏は隙間のシーリングを行い、目荒らしをしてからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/白色に近いライトグレーで塗りかえました。
シーリングというのは隙間や穴、ひび割れ等で雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
目荒らしというのはサンドペーパーやナイロンタワシで表面を擦り微細な傷を付ける事です。古い塗装面も同様の作業を行って、劣化塗膜を除去します。この場合はケレンと言います。錆落としの作業もケレンと言います。
表面に微細な傷が付くと塗膜と基材の接触面積が大きくなり、塗料の吸着力が良くなって結果的に塗装が長持ちします。仕上がりも滑らかに美しく塗り替えられます。
逆にケレンや目荒らしが不十分だと塗膜剥離が起こり易くなります。手抜き工事等で良く見られる現象です。シーベースではこの工程をきちんと行うために美しく仕上がるだけでなく長持ちします。破風・鼻隠は艶やかに生まれ変わりました。
軒天も外壁との取合の隙間の補修後に日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえました。
艶消しは光を乱反射し白色なので更に光が拡散してお住まい全体が明るくなりました。
外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)で僅かにチョーキングや反り、ひび割れが発生していました。サイディングには何か所か割れも発生していました。
チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。
こうなると雨水を吸って乾いてを繰り返すうちに元の粉に戻って行きます。脆くなって崩れている部分も見受けられました。
外壁はパネル形状で左右のジョイントは相決り(板材のジョイントの仕方で、板厚の半分を互いに切り欠き、それを繋ぐ事で隙間が出来る事を防ぐ工方)になっているのですが上下のジョイントは突合せで本来ここには水切を入れなければいけない箇所なのですが入っておらずコーキングで塞いでいました。
外壁はひび割れを補修して日本ペイント株式会社のパーフェクトトップ/ND-281 くちなし色で塗りかえました。コーナーにプラスチック製の飾りが取り付けられているのですが、ビス留めしているビス頭の駆動部が潰れているので外す事が出来ませんでした。そのためビニールで養生して塗装しましたがかなりの手間が掛かりました。手間をかけたおかげでこの部分もきれいに仕上がりました。
コーキングは元々充填量が少なく、ひび割れや穴開き、剥離が有り、ほぼ全滅状態でした。こうなると大分内部へ雨水の侵入が有ると考えないといけません。雨水が侵入する事で当然内部の木部は腐り易くなりますし、窯業系のサイディングですから雨水を吸って乾いてを繰り返すうちに元の粉に戻ってしまいます。つまりその部分は崩れてしまうので注意が必要です。
コーキングはオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラント/外壁色の近似色で打替を行いました。外壁の上下のジョイント部分もたっぷりと充填しました。
樋も劣化が見られジョイントには隙間が発生していました。材質そのものも若干脆くなってきています。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。隙間を補修してエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/白色に近いライトグレーで塗りかえました。こちらも輝きを取り戻しました。
霧除はお客様のご希望で、屋根塗料で塗りかえました。外壁色にマッチしてアクセントになりました。
シャッターボックス、水切も劣化で色が大分抜けていましたが同じ塗料をサッシの近似色で塗りかえました。
ベランダはFRP(繊維強化プラスチック)防水でした。基材には問題が有りませんでしたがトップコートは寿命が来ていました。ここは東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーで塗りかえました。これは防塵塗料なので一般的なトップコートよりも丈夫で長持ちします。
足場が無くなって全体を見渡すと、まるで新築の様な美しさでお住まいが蘇りました。屋根のグリーン、外壁のくちなし色、軒天の白色、破風・鼻隠や樋のライトグレーが見事に調和してとても上品で美しく仕上がりました。
F様は、とても良い色を組み合わされたと思います。お客様にもお喜び頂けた事を何より嬉しく思います。また、ご紹介下さったT様、大変有難うございました。
それでは美しく生まれ変わったお住まいで良いお年をお迎えください。