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さいたま市大宮区のK様より外壁塗装やコーキングの打替、ベランダFRP(繊維強化プラスチック)防水、付帯部分の塗装の見積ご依頼を頂きました。大変有難うございました。
うまく株式会社シーベースに辿り着かれた方は非常にラッキーです。塗装業界は経験が浅く乏しい知識でも独立してしまう様な結構いい加減な業者も多く、中にはかなり適当な工事をしてトラブルを起こしている業者も多いので丁寧な補修や下地処理を行う優良な塗装業者を探すのは大変です。
早速現状調査に伺いました。K様邸は住宅地に立つ築10年の3階建てで素敵なデザインのお住まいでした。初めての塗装工事です。
敷地いっぱいに建てられており、お隣様との距離も短いため足場の設置にはかなり苦労しそうだと感じました。
かわいいワンちゃんがいました。不安そうな眼差しで吠える事も無くずっとこちらを心配そうに見つめていました。
屋根は片流れになっており溶融アルミメッキ鋼板の瓦棒になっていました。片流れ屋根(かたながれやね)というのは一方向にだけ傾斜しているシンプルな屋根形状のことです。屋根面が一枚だけで構成されており、一般的な切妻屋根(2方向の傾斜がある)とは異なります。モダンな印象になります。
溶融アルミメッキ鋼板というのは鋼板の表面にアルミニウムを溶融メッキしたもので、耐食性、耐熱性、熱反射性に優れているのが特徴です。
瓦棒というのは軒先まで一枚の金属板(トタンや亜鉛メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板等)を縦葺きしたものを言います。この材質ですと塗装の必要は有りませんが、メッキが剥がれた箇所や鉄釘等が使用されている場合はタッチアップが必要になります。
破風・鼻隠は窯業系のボードで飾り板と一体型になっていました。といも珍しい造りです。ジョイントには隙間が有りシーリングが劣化していました。
シーリングというのは竣工時にはもちろん、経年劣化や建物が歪んだ時にできる隙間や穴、ひび割れ等が生じて雨水が侵入し易い箇所をコーキング等で埋めて塞ぐ事です。
軒天は火山性ガラス質複層板製で、所々塗装の剥離が見られました。外壁は意匠サイディングと無塗装サイディングをツートンカラーに塗装した3種類の窯業系サイディングボードでした。窯業系のボードはセメントと繊維質を混ぜた原料を板状の型でパターンの凹凸を付けて圧縮し、高温・高圧の中で固めた物です。工場であらかじめ成型・塗装され、現場で取り付けるため、工期が短く済み、品質が安定しています。焼いて作るものではないため湿気で変形したり吸水で脆くなったりします。
「意匠サイディング」というのはデザイン性や装飾性を重視して作られた外壁に張るパネル状の外装材で、住宅の外壁に広く使用されています。
全体的に撥水機能が低下し外壁を釘留めする際に手加減を失敗したため多数のハンマー痕でひび割れが見られました。何かがぶつかって出来た様な細かい欠損箇所も見受けられました。
これ等の部分は雨水が浸透してしまうためかなり脆くなってしまうので早めの補修が必要です。
コーキングは外壁の縦目地も窓周りもかなり劣化が進んでいました。縦目地では剥離や穴あきが見られ、柔軟性が無くなっていました。特に構造的に外壁のコーナーのジョイント角度が大きな箇所が有り、ここもコーキングで塞いでいるため劣化が進みやすく雨水の侵入もし易くってしまうので注意が必要です。
窯業系のサイディング外壁にとってコーキングは生命線です。コーキングの劣化によってジョイントから雨水が侵入し、乾燥してまた雨水が侵入し・・・を繰り返しているうちに木口の部分は粉に戻ってしまったり脆くなってボロボロに崩れてしまったりするからです。また劣化が進んでしまうと新しくコーキングを打っても粉になった部分とは接着が甘くなるので剥離し易くなってしまいます。
シャッターボックスや水切はスチール製で変色が見られましたが錆び等は出ていませんでした。バルコニーは2箇所有りFRP防水床の基材は隅々まで踏んで確認しましたが問題は有りませんでした。ただFRPを守るためのトップコートは劣化が見られましたので塗りかえが必要でした。
樋や塩化ビニール配管も変色やジョイント部分に隙間が有り雨水が漏れ出た痕が見られ汚れていました。材質そのものも脆くなって来ていました。これは加水分解によるものです。加水分解と言うのは水と反応して分解を起こしてしまう事で、空気中の窒素、紫外線、微生物、空気に含まれる水分等で起きてしまいます。
現時点で定期的に塗りかえを行えばお住まいと同程度の寿命になりますがこれを怠ると割れ等が発生して交換が必要になる場合が有ります。
樋の交換には約50万円程度掛かりますので、そうならぬ様に塗装による保護をお勧めします。
基礎と配管との取合にはシーリングがされていませんでした。この部分は意外と雨水が侵入し易く、かつなかなかそれに気づく人もいないため気が付いた時にはかなり雨水が入り込んでいて湿気によるダメージが進んでしまっている事が有ります。
見積書の作成に1週間程度お時間を頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。