施工内容 | 屋根/平板スレート瓦/釘浮補修、瓦割れ補修、遮熱塗装/エスケー化研株式会社-クールタイトシリコン |
施工エリア | 上尾市 |
施工期間 | 2週間 |
施工を終えて | 施工前は陸屋根シート防水の勾配が狂っていたり、塩化ビニール巻鋼板使用の幕板や破風・鼻隠の破れ、軒天アルミの酸化等、中々難しい工事になると感じましたが、手間を惜しまず丁寧に一つ一つ補修を行いました。 |
屋根の塗膜は劣化し撥水性も落ちコケの発生が見られ、樋も経年劣化で変色していました。
陸屋根のシート防水はジョイントが剥離して雨水の侵入が見られました。
陸屋根の勾配(雨水が流れるための傾き)が建設当時から狂っていたため、泥が溜まっていました。
外壁は軽量コンクリートなのですが、所々割れや欠損が発生していました。
塩化ビニール巻鋼板を幕板や破風・鼻隠に使用しているため、経年劣化でビニールが破れ鋼板の錆が発生していました。
高圧洗浄
屋根の苔や外壁の不良塗膜を高圧水で落とします。この作業をきちんとしないと、塗料の吸着が悪くなり、結果的に長持ちしなくなってしまうからです。
樋も清掃します。枯葉や泥が詰まったり、重みで樋が歪んだりするからです。
屋根下塗
プライマーを染み込ませてスレートを補強し、基材とこれから塗る塗料との接着を良くします。
屋根-中塗
遮熱塗料で中塗です。遮熱塗料は太陽光の反射率が高いため、夏は室内温度の上昇を抑える事が出来ます。
屋根-上塗
中塗と同じ塗料を2層塗りました。合計3層塗る事で塗膜に厚みを持たせ、強度を増します。また、ムラを無くし美しく仕上げます。
黒光りする重厚感の有る屋根へと生まれ変わりました。
樋-目荒らしと塗装
ナイロンタワシや極細目のサンドペーパー等で表面を均す事を目荒らしと言います。この作業をすることで表面に付着していた汚れやゴミを取り除き、表面が滑らかになります。
また目に見えない微細な傷を付ける事で塗料の吸着が良くなるため長持ちします。塩化ビニールを痛めぬ様にソフトに行います。
塩化ビニールは太陽光や雨水で加水分解(紫外線と水で劣化する事)するので、塗装する事で劣化を防ぎます。
軒天-ケレンと下塗
こちらの軒天はアルミ製とケイ酸カルシウム板の2種類有りました。ケイ酸カルシウム板には塗料は問題無く接着するのですが、アルミ部分には、特殊なプライマーを吹付して接着力を増さないと直ぐに剥離が始まります。酸化して盛り上がっていた部分は、削って平らにし、慎重に隅々まで吹付けました。
軒天塗装
凹凸の深い部分はハケで仕上げました。真白く塗り替えられてお住まい全体が明るくなりました。
外壁-下塗
痛んだコンクリートは除去し、特殊なシーラーで下塗を行います。下地を補強し、仕上げ塗料との接着も良くします。
また細いひび割れに染み込んでヒビを埋めます。
工事中にもかかわらず、かわいらしい花々は静かに咲いていました。私たちをほっとさせてくれます。
外壁-中塗
この色が仕上色になります。
外壁-上塗
中塗と上塗は同じ塗料です。3層塗る事で塗膜に厚みを持たせ、強度を増します。また、ムラを無くし美しく仕上がります。
陸屋根-シート補修とプライマー
塩ビシート防水のジョイント剥離部分をシーリング剤で埋めた後、プライマーを塗布します。これから張る通気緩衝シートの接着を良くするためです。
通気緩衝シート張り
長年に亘り浸入した水分が防水工事後に熱により気化した時に防水層が膨らんでしまいます。それを防ぐために、このシートを張り脱気筒を取付けてそこから湿気を逃がします。
シートのジョイントはジョイントシールで接着し、コーナー部分はメッシュシートで補強し、端はシーリング材で接着します。通気緩衝シートは半分は密着し半分は隙間が有ります。その隙間から湿気を逃す構造になっています。
脱気筒-取付
ここから防水層の内側に溜まる湿気を逃がします。
ウレタン防水層-1層目
ウレタン防水層の1層目を形成しています。
ウレタン防水層-2層目
ウレタン防水層の2層目を流しました。ウレタン層を2層にする事で厚みをつけて耐久性を持たせます。
ウレタン防水層は、とても柔らかく伸縮します。10年後でも震度5程度の揺れなら破ける心配は有りません。
勾配調整
溜まった雨水が排水口へ流れる様に高さの調節をします。水上部分を何度も塗り重ねて徐々に高くして行きます。
ウレタンは乾くのに1日掛かります。一日に1回ずつ乾かしては塗り、乾かしては塗りの繰り返しで日数が掛かりました。
徐々に本来必要な高さに調整し散水試験も行い、最良の状態にします。
遮熱トップコート
遮熱トップコートの塗装を行いました。防水だけならウレタン層までで良いのですが、ウレタンは光や水に弱いのでトップコートで保護します。
遮熱は太陽光を反射する率が高い性質が有ります。表面温度の上昇もかなり抑えられ、ウレタン層の寿命も延びます。
陸屋根防水完了
I様のお住まいには陸屋根が2ヶ所有ります。2ヶ所共勾配の調整がうまく行き、散水試験でもスムースに排水口へ流れる様になりました。
これでもう雨水が溜まる事は有りません。
塩ビシート巻鋼板の補修と塗装
塩ビシート巻鋼板は経年劣化によりビニールが破け、雨水が基材のスチールに触れて錆が発生していました。
破れた箇所は少し大きめに切り取り、ケレン(ナイロンタワシやサンドペーパーで擦って錆を落とす事)し、錆止塗装を行います。
中塗、上塗を行って完了です。
シャッターボックス塗装
シャッターボックスはガルバリウム鋼板でした。ガルバリウムは錆びないと言われる事がありますが、それは全く傷の無い表面だけの事です。傷が付いたり、切り口部分は必ず錆びて来ます。
ケレンして錆を落とし、錆止め塗装後に溶剤系のシリコンで塗装します。
このシャッターボックスは全く勾配が無いため、上側には雨水が溜まります。埃が溜まり、雨水が流れると汚らしくなります。この様な時は年に1度で良いので夏前にホースで水を掛けて埃を流してやると汚れが染みつきにくくなります。
何故夏前にやるかというと、夏は高温で塗装膜がやや膨張し、目には見えませんが膜の微粒子の間に埃が入り込み、気温が下がると埃を取り込んだまま収縮してしまうので汚れが落ちにくくなるからです。
樋塗装
まず目荒らしを行い、塗装します。樋や配管は塩化ビニール製です。太陽光や雨水で加水分解という化学反応を起こして劣化して行きます。塗装する事でこれを防ぐ事が出来ます。
柱の塗装
この柱はスチール製なので塗装します。白茶けていましたが、黒光りする重厚感の有る柱へと生まれ変わりました。
2つ有る陸屋根はしっかりと防水層が形成され、ライトグーレーに塗りかえられました。
玄関周りのドア枠や柱、ポストは真黒く、塗りかえられ輝いています。
南面も、お庭の花々や芝生の緑と良く似合う色彩です。
日当たりも風通しも良い好立地のお住まいです。
色選びは随分と迷われた様ですが、とても良い色を組み合わされたと思います。
屋根や樋、柱の黒色と、外壁の淡いベージュ、軒天と幕板やシヤッターボックスの白色のコントラストが上品で実に美しく調和しています。
静かで緑豊かな郊外にぴったりなお住まいです。まるで新築の様に美しく蘇りました。
長い間ご不便をお掛けしました。お客様に喜んで頂けた事をとても嬉しく感じました。大変有難うございました。