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さいたま市大宮区、Eマンションで一昨日荷揚げ用の足場が解体されて全ての作業が終了し、屋上防水と塗装が完工しました。
オーナーのH様は昨年の5月に隣接するアパートの屋根塗装や外壁塗装等、大規模修繕をさせて頂いたリピーターのお客様です。大変有難うございました。
築26年の5階建て、鉄筋コンクリートの大きなマンションです。外壁はタイル張りで高級感の有る造りです。
2つの塔屋はゴムシート防水、3つの屋上はアスファルトシート防水になっていました。その他、階段塔の屋根がモルタル防水、塔屋内へ続く階段は防水処理がされていませんでした。
施工前は部分的にシートやウレタンの亀裂や破れ、ジョイントの不具合が見られましたが全体的には雨水の侵入は僅かでしたが、限界に近い状態でした。
外階段室の屋根はモルタル防水になっていて、ひび割れが多数発生しており、塔屋の階段は僅かなひび割れでしたが側面からエフロレッセンス(白華現象。コンクリートやモルタル中のカルシウムが、浸入した雨水に溶けて目地やクラックから溶け出し、炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムになった物の事)が見られました。
南側の2つの棟の屋上には携帯用の大きなアンテナや重い配線が設置されているため通信会社に協力して頂き一時的に撤去と移動をし、その後こちら側でそれ等を吊り上げて作業を行い完了後に復旧しました。
北側の棟、南東側の棟、南西側の棟と2つの塔屋、1階のエントランス庇のシート防水部分はシートやウレタンの亀裂や破れ、ジョイントの不具合を補修してからカバー工法で通気緩衝工法によるウレタン塗膜防水を行いました。
カバー工法というのは既存の防水層はそのまま残し、その上から新しい防水層を形成する方法の事です。工期が短縮出来、既存の大部分も撤去処分しないため費用を大幅に抑えることが出来ます。
欠点としては既存部分が残るため平場の表面が多少凹凸になります。雨も凹部に溜り易くなります。耐久性としては既存防水層の劣化状態にもよりますが、今回の場合は全面撤去して新設する方法と比べると96%程になります。
通気緩衝工法と言うのは、防水層の内部が熱で湿気が気化するとウレタン防水塗膜が膨れて傷むため、下地面とウレタン防水層の間を絶縁するために通気緩衝シートを入れ、気化した水蒸気を逃がす脱気塔を取り付ける工法の事です。
それ以外の南西側の棟の南北の庇や外階段室の屋根、機械室の階段はウレタン塗膜防水を行いました。
ウレタン塗膜防水と言うのはゴムの様なウレタンで継ぎ目の無いシームレスな防水層を形成する方法の事です。シート防水と比べると雨もりが発生した際等にどこが剥がれいるのか、穴が空いているのか等見つけやすい点です。シート防水の補修を何度頼んでも雨漏りが止まらなかったという話をよく聞きますが、これは不具合箇所を適切に見つけられなかったため補修に見落としが発生するからです。
また、地震等で多少の歪みが起こってもウレタンは弾力性が有るため割れたり剥がれたりする心配が無いのでこちらのマンションには最適です。
使用したのはAGCポリマー建材株式会社のサラセーヌです。品質が良く長持ちするので評判の良い製品です。弊社のウレタン塗膜防水工事では殆どこれを使用しており長年経っても不具合が起きにくいので安心です。
ウレタン塗膜防水の上には水や光からウレタンを守るためのトップコートを行って保護します。ライトグレーに輝いて、外から見られる事が無いのがもったいないくらい、とてもきれいに仕上がりました。
屋上出入口と機械室のドアとドア枠は大分錆が出ていて下の方は穴が空いていました。この部分はケレンして錆を落とし錆止め塗装を行い、穴の部分はパテとコーキングで形を整え、エスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコンで仕上げ塗装を行いました。
途中、雨や強風に悩まされながらも丁寧に無理をせず事故も無くようやく完工する事が出来ました。職人の皆さんたちもお疲れ様でした。