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さいたま市岩槻区、K様邸で屋根塗装、外壁塗装、コーキングの打替、バルコニーFRP(繊維強化プラスチック)防水トップコートが完工しました。築15年で初めての塗装工事でした。身を切る様な寒さで低温のため施工の出来ない日も有りましたが(低温だと塗料の接着が悪くなるため)作業開始時刻を遅らせて気温が上がってから施工する等して丁寧に行いました。
屋根はスレート瓦で大変困った事に層間剥離を起こしていました。層間剥離というのは何重にも重なっている層が分離して膨らんでしまった状態の事です。それぞれの層が薄くなってしまっているためバリバリに割れていました。
これはとても厄介でシーベースの技術力ならば塗装でも可能ですが、通常は葺替が必要になる案件でした。
釘浮きは打込んで頭留をし、棟板金のジョイントの隙間シーリング(コーキング材等で隙間を塞ぎ雨水の侵入を防ぐ事)してからスレート瓦の割れている箇所を取り除き、シーラーで固め、更に不良個所を除去してもう一層シーラーを染み込ませて固めてからエスケー化研株式会社のクールタイトシリコン/CLR-103ココナツブラウンで塗りかえました。
この製品は遮熱塗料なので太陽光の反射率が高いため、屋根材へのダメージを軽減したり建物内部に熱が溜まるのを防ぐので僅かですが室温を下げてくれます。また、この塗料は遮熱タイプなので地球温暖化対策としてさいたま市から補助金が受けられます。
屋根の上裏は雨水を吸ったため大分荒れが見られました。ここはサンドペーパーで削って傷んだ部分を落としてから破風・鼻隠と一緒に塗装しました。
破風・鼻隠はセメント板でジョイント部分にやや隙間が見られました。ここからは雨水が侵入していました。
隙間をコーキングで補修してからエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/15-20B濃い茶色で塗りかえました。
軒天はケイ酸カルシウム板製で内部の湿気が抜け出ようとして黒ずみが見られました。外壁との取合の隙間を補修してから日本ペイント株式会社のケンエースGⅡ/艶消し白色で塗りかえました。
外壁は窯業系サイディング(セメントと繊維質、混和材を主原料にして練り、板状に圧縮形成した物)で、かなりチョーキングが進んでいました。
チョーキングというのは白亜化(はくあか)とも言い、塗装表面が紫外線や熱、雨、風等で塗膜が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)の様な粉状になる事、つまり塗膜が死んでしまい雨を弾かなくなっている状態の事を言います。これがあまり酷くなると、塗装しても表面の粉状の物と一緒に剥がれ易くなるため長持ちしなくなってしまいます。反りや割れも見られました。また雨水の侵入と乾燥を繰り返していると元の粉に戻ってしまいやがてボロボロになってしまうので定期的な塗装は欠かせません。
外壁塗装は日本ペイント株式会社のパーフェクトトップで行いました。外壁の2階部分はND-370 白色で、1階部分はND-184 パステル調茶系ベージュのツートンカラーに塗り分けました。
外壁のジョイントコーキングは全滅で内部のジョイントハットが露出していました。これで外壁のコーナーの部分は、かなりダメージを受けていました。コーキングはオート化学工業株式会社のオートンサイディングシーラントで外壁色に合わせて打替を行いました。
1階と2階の間にはセメント板のモールが有るのですが、こちらも雨水の侵入と乾燥を繰り返してしまったため崩れが見られました。劣化部分を除去し、上部も含めて同コーキング材での補修を行いました。
バルコニーのFRP(繊維強化プラスチック)防水床は隅々までチェックしましたが基材に問題は有りませんでしたが表面のトップコートは寿命が来ていました。この部分は東日本塗料株式会社のAUコート/フォックスグレーで塗り替えました。これは駐車場等にも使用される防塵塗料でかなり丈夫です。
樋は一部破損個所が有り、紫外線による変質が有りました。破損個所を補修してエスケー化研株式会社のクリーンマイルドシリコン/濃い茶色で塗り替えました。霧除や水切も艶が無くなり劣化が進んでいましたので同じ塗料で塗り替えました。
シャッターボックスはクリーンマイルドシリコンを調色(何色かの色を混ぜて必要な色にする事)してサッシの色に合わせて塗り替えました。
屋根や破風・鼻隠、樋、水切は濃い茶色に輝きを取り戻しました。軒天は艶消し塗料を使用したので光をうまく反射してお住まい全体が明るくなりました。
外壁は2階と1階を分けるモールは濃い茶色になり2階部分は真っ白に、1階部分はパステル調茶系ベージュのツートンカラーに塗り分けられ、とても上品で美しく仕上がりました。
バルコニーのFRP防水床は明るいグレーに塗り替えられてバルコニー内も明るくなりました。
全体の色彩がとても良く調和していてお客様にもお喜び頂けほっとしました。長い間ご不便をお掛けしました。大変有難うございました。